2009.02.15 青梅マラソン 完走記

30kmの部

 
 青梅マラソンは、マラソンじゃない。 と世間の人に言うと、「ええっ?」って顔をする。 東京マラソンと並び報道されて、青梅は、マラソンはフルマラソン(42.195km)だと思っている人が普通なくらいたくさんいる。 「マラソンは30kmから」を常に口にしている私としては、ことあるごとに、この誤解を解くとこにしている。 30kmロードレースは、マラソンとは全く別ものである。 マラソンは、限界点を超えると大失速し、予想タイムから20分も30分も狂ってしまうことはあるが、30kmレースなら、初心者を除き、せいぜい2,3分の誤差に収まる。 逆にいうと、それだけ、練習の成果が正直に現れる。

 だからといって、青梅マラソンの価値を低く思っているわけではない。 町をあげてのマラソン祭りの雰囲気は最高だ。 地元の生活幹線である青梅街道を気前よく解放し、声を上げて応援をしてくださる青梅市民に感謝、感謝である。

 30kmは、11時50分スタート。 これは助かる。 朝、十分に睡眠がとれる。 私はスタートが11時以降のレース、勝田・泉州・北海道は、満足に走れることが多く、逆に9時30分以前の、荒川、つくばは苦手だ。

 とはいっても、30kmの部1万5千人、10kmの部五千人がエントリリーしたマンモス大会。 余裕を持って、10時ちょっと過ぎには、最寄の河辺(かべ)駅には着いた。 結論からいうと、これでも、ちょっと遅かった。

 受付の河辺小学校までは、駅から歩いて5〜10分。 ナンバーカード受付は、番号別で混雑はないが、続いて「プログラム(新聞仕様)・案内・Tシャツ配布場所」に長蛇の列ができていて、10分〜20分はかかると思われた。 パスしようかと迷ったほどだが、TシャツSサイズのところは、列が極端に短くラッキー! 身体が小さくて得をした。

 続いて、総合体育館に行ったが、入るのだけでも、列ができていて、中はびっしり。 やっと観客スタンドの隅に、リュックを置くスペースを取ったが、通路は、ひと、ひと、ひとで、渋滞している。 すでにスタートまで1時間を切っていたので、すぐに、ゼッケンを付けて、ランシャツ。ランパンに。 今日は、暖かくてよかった。 天候・晴れ、気温14度、湿度45%、南東の風0・5メートル=スタート時。


体育館はびっしり (ゴール後撮影)

 続いて、貴重品預け、A4程度の袋に入る大きさ、100円。 10分ほどかかったか。 荷物はすべて放置を決め込んでいる人の方が多いのだろう。 青梅マラソンは荷物預けがないのが欠点である。 場所がないのだろうか。まあ、あったとしても、すごい混雑になると思うが、東京マラソンでできることは、実現して欲しい。 

 アップなんて暢気なこと、やっている暇がなかったので、速めのジョグで急ぐ。 スタート地点に行く途中の児童公園に仮設トイレがある。 ここで迷った。 スタート35分前。 スアート位置の優位性を取るか、トイレすっきりを選ぶか。 結局後者を選んだ。 トイレ終了、スタート10分前。 トイレ不足は深刻である。

 さあ、急げ、急げだ。 陸連登録者だから、最前列のブロックに入る資格があるのだが、歩道はも車道お人でびっしり。 進むのが大変だ。 ようやく陸連登録者ブロックについて時には、スタート5分前。 たまたま、隣の隣にMITAさんがいて、おしゃべりしているうちに号砲となった。

 スターターは、昨年引退した短距離の朝原宣治さん 自分でトレーニングを研究していく姿勢に、私も朝原ファンだったので、ちょっと感激。 

 
スタートライインまでは、30秒。 仕方がないな。 自分は、今日は自己ベストを狙うとかいうわけでもないので、ネットタイムを気にしていこうと思う。 自分にとっての勝敗ラインは、2時間10分=キロ4分20秒。 もし、4分08秒=マラソンサブスリーペースが切れたら大成だ。

 混雑のため、スタートラインを超えても、のろのろしている。 が、無理にいかず、流れに乗りながら、徐々に上げて行った。 1キロまでのラップが、4分24秒。 この渋滞でこのタイム、すうっーと走れている感覚、今日はいけると確信した。 

 3キロあたりで、こいちゃんに会う。 目標2時間08分に上方修正を宣言する。

 3キロから坂とわかる登りが始まって、4キロまでは、4分28秒だが、ここは慌てない。 周りはいつの間に渓谷の景色に。 これを楽しみながら行こうと思う。 続く下りで5キロまで、キロ4分04秒。
 5キロ通過は、21分57秒(ラップ21分29秒)。 悪くないい

 2005年の柏崎潮風マラソンの頃から、上り坂はピッチ走法で行くと決めていた。 しかし、昨年、山岳レースを経験するうちに、走り方が変わった。 上り坂は、大腿に意識を持っていき、前傾姿勢で真っ直ぐに登っていく。 先月の勝田マラソンでつかんだ感覚で、今日もうまく行っているように感じた。

 給水所で、水を取り損ねて、思わず「しまったと言ってしまう。 心配なのは、暑さのため、終盤で失速することだ。 
10キロ通過43分15秒(ラップ21分18秒)

 10キロを過ぎてから、上り坂がきつくなるが、キロラップは、4分25−26−24秒と持ちこらえる。 給水所では、しっかり、水を取る。 大腿にもかけたが、足裏のマメが心配になる。 少し気配だ出てきたからだ。 12キロ地点の御嶽(みたけ)駅前は、ひときは賑やかになる。 ここを過ぎれば、もうすぐ折り返して下りに転じる、ということで、気分的には積極的になる。 さらに、いいことに、15キロ手前で、お日様が隠れ、曇ってきた。 これで、熱射・脱水の危険がずっと少なくなった。

 折り返しは、15キロ手前、数百mで、
15キロ通過、1時間05分03秒(ラップ21分48秒)

 ここまで、2時間08分=マラソンサブスリーペースにグロスで約1分遅れで来た。 20キロで1分遅れなら諦めない、と計算していただけに、嬉しい誤算だ。 そこで、目標をさらに上方修正、ネット2時間08分から、グロス2時間08分とする。できるかできないかという線で目標を立てるのが、走って行くモチベーションになる。

 下りに転じて、一気に楽になると思いきや、風が逆風であった。 目標は、しびれるほど、ぎりぎりだな、と思う。 しかし、登りが得意になった分、下りがそれほどでもなくなってきたようだ。 あとで結果を見ると、この下りの5キロ区間で、順位を681位から、685位へと、わずかだが下がっているのだ。 それに、ずっと道は下りが続くというわけでもない。 往路では、ずっと登っているような気でいたが、けっこうアップダウウがあるのである。

 
20キロ通過は、1時間25分58秒(ラップ20分55秒)。 サブスリーのラップは暗記しているので、それとの差を計算していく。 ぎりぎりだ。 というのは、ここから先、、500m〜800m位の長さの登りがあるのだ。

 脱線だが、この大会、インターネットを使った速報サービスがあり、15キロ、20キロ、25キロそしてゴールタイムが配信されたが、20キロ地点のタイムが明らかにずれていた。 時間にして、49秒遅いタイムで配信され、距離にして、200m位だろうか。 そういえば、20キロ地点の先にもうひとつラインがあって、気になった。 関門かなと思ったが、そこでタイムを取っていたのかもしれない。 あるいは、時計の設定ミスか? とにかく、距離とタイムは、レースの基本中の基本であるので、来年以降は、改善されるように望む。
 
 さて、21キロからの問題の登り坂。 昨年の暮れに車で下見をし、往路でもチェックしていたのが生きた。 ここは、一気にぐいぐい登って行く。 多少苦しくても、次の下り坂で休めばいい。 ここで、一気にタイムを落とすと、目標が遠のき、モチベ―ションが低下する。

 ということで、登り坂は、がんがん追い抜きモードとなり、
25キロ通過は、1時間47分05秒(ラップ21分07秒)、順位も、685位から603位に一気に上がった。

 残りは、4分12秒ペースで行って、ラストスパートをかませば、目標達成である。 しかし、足裏には、マメができたようで、かなりきつくなってきた。 25キロ地点の最後の登りは、やや足踏み状態になりかけた。 ちょっと、黄色信号。

 残り3キロになると平坦になってしまうので、そこまでに、やや貯金を作りたい。 下り区間は、最後の力で蹴りを強めていった。 キロ4分05−08と推移して、OK、OK。

 しかし、ラスト3キロは、平坦になって苦しい。 気がつくと、まわりのペースに合わせている。 これはやばい。 追い越しモードでないと、キロ4分12秒は達成できないはずだ。 ということで、このレース初めて、他のランナーを目標にしていく。 次の1キロまでに、あの前を行く青シャツに追いつくぞーといった具合に。

 残り3キロは、ラップ4分13−15秒と推移した。 ラスト1キロまでは、少し守りの気持ちになるのは常である。

 ラスト1キロは、4分01秒。 30キロレースでは、結構ラストスパートをかける人が多い。 それほど爆発したつもりはなかったが、タイムはよかった。

 
ゴールタイム、2時間07分47秒( ネット2時間07分19秒) 順位は、554位。 ゴール後は、血マメを、また作ってしまったが、最近の練習状況から判断して、精一杯走れたと思う。 ずっと背中を押してくれた青梅市民のみなさんにも感謝したい。


★ 後日談
 3月29日に、立派な写真集とともに、青梅マラソンの記録賞が届いた。 20キロ通過タイムが印字されているのだが、残念ながら、タイムは修正されていなかったし、そのことについて、詫びも説明もなかった。 主催者は気がついていないのか、あるいはたいしたことはないと考えているかはわからない。 途中経過タイムなので、そんなに目くじらをたてるつもりはないが、繰り返しになるが、距離とタイムはレースの基本なので、しっかりしてもらいたいものである。


距離 通過タイム ラップ 順位 コース
〜 スタートライン 0:00:30 - - 日本たばこ産業青梅営業所東
〜 5km 0:21:57 0:21:27 - 平坦から登り 〜宮ノ平
〜 10km 0:43:15 0:21:18 - 登り一部下り 〜沢井
〜 15km 1:05:03 0:21:48 681位 登り 〜川井(折り返し)
〜 20km 1:25:58 0:20:55 685位 下り 〜沢井
〜 25km 1:47:05 0:21:07 603位 下り一部登り 〜宮ノ平
〜 ゴール 2:07:47 0:20:42 555位 下りから平坦 〜総合体育館

高低差85.8m(フィニッシュ地点を起点)
順位は、男子総合
20kmの順位は、20.2kmあたり