2012.10.07 いわて北上マラソン 完走記

 どちらかというと競技志向の大会。食べて飲んで仮装してという感じの大会ではない。エントリー数は、フルマラソン1213人、10km526人。スタート・ゴールは、タータンの陸上競技場。トップレベルの大会のよう。といっても、今年から、制限時間が、5時間から6時間に延長され、誰でも完走のチャンスがある大会となった。さらに、コースも一新され、前半にあった、きついアップダウンが解消され、ある程度、記録も狙える大会となった。

 この大会は、いわて北上マラソンと、全日本マスターズマラソン選手権大会という2つの大会の同時開催で、私はマスターズ会員なので、後者のほう、同時スタートだが、ゼッケンの色で区別される。

 受付は、前日と当日がある。スタートは8時30分で、首都圏からだと、前泊は必須。今回、私は妻との2人旅行で、前日は、盛岡のビアバーベアレン 中の橋の店で、景気付けにビールをいただいた。勝負マラソンの時はあり得ないことだが、今回は、完走目的のマラソンだからだ。というもの、9月9日の川越アクアスロンで、右脚ふくらはぎを痛め(軽い肉離れと思う)、以来、4週間、ジョグ以外は、ほとんど走っていない状態での参戦なのだ。どこまで走れるか、脚が痛まずに完走できるか、が今回の課題だ。

 

 会場は、北上駅から、約4キロ離れた、北上総合運動公園北上競技場。いわて銀河100キロマラソンのスタート会場でもある。駅からは、無料のシャトルバスが運行される。

 荷物は、貴重品預けのみ。競技場の更衣室に有料のロッカーがあるので、ここに荷物を入れて、その鍵を貴重品とsて預けるのが、正解。だが、今回は、手順前後して、貴重品を先に預けてしまい、着替えなどの荷物は、放置ということになってしまった。

 スタートは、競技場のトラック内。 「スタートラインは、1500mのスタート時点から、第3コーナに向かって20mくらいのところ」とアナウンスしていたが、市民ランナーで1500mのスタート地点がピンと来るのは半分いるかな、と思ってしまった。

 私が並んだのは、前から3列目あたり。最前列に、ゲストランナーの尾崎朱美さん。Tシャツスタイルで、ゆっくり走りますよ、モード。

 天気は、曇り時々晴れ模様。風は特になし、東京に比べれば、随分と涼しい。

 


 スタートロス 01秒
 初めにトラック1周半。すぐ前に、尾崎朱美さん。尾崎さんの横にいたランナーが、「今日はどのぐらいで行くんですか」と聞いていて、答えは、「3時間30分くらい」。なら、私もちょうどいい。付かせてもらいましょう、と思った。

 距離表示は、1キロごと。ほぼ全コース、道路の半分、1車線に交通規制で、そのため、道の真ん中に、、すっと、赤色のコーンが置いてある。1キロごとに、そのコーンが青色になっていて、そこに距離が書いてある。見落としにくいんだが、最初の1キロは見落としてしまった。そして、2キロ通過は、8分42秒。あれえ、3時間30分ペースじゃなくて、3時間05分ペースじゃん。と思ったが、まあ、いいや、このままいっちゃえ、と、尾崎さんのペースで行くことに。ちょっと、今日は、いい加減な戦略だ。

 5キロ通過 21分52秒 (ラップ21分51秒)
 予定より、ずっと速いが、まあ、無理のない体感。このまま、いける所まで行って、後半粘るか・・・と、マラソンでの典型的な失敗レースパターンに突入することに・・・

 大会パンフの高低図では、スタートから6キロ地点まで、下り傾向。しかし、実際走ってみると、下りを感じない、緩やかなものだった。だから、6キロ地点以降、平地になったといっても、全く、変化は感じなかった。

 10キロ地点手前、気が付いたら、尾崎さんが率いる、20人ほどの集団が出来ていた。 

 10キロ通過 43分50秒 (ラップ21分58秒)
 10キロラインあたりで、集団の後方を走っていた私が、どういうわけか、この集団に付いていけなくなった。この「遅れる時」というのは、不思議な感覚である。後から振り返ると、どうして、あそこで、付いていかなかったのだろう、あの集団の力を借りて、楽に走っていけたはずなのに・・・と思うのだが・・・どうしてか・・・思い出せない。

 9キロ地点では、いい感じ、このままハーフまで行けそう、思っていいたのに、数分後には、もう、このペース無理、となってしまった。

 尾崎さんの集団の背中が、遠ざかっていく。20mくらい離れたこところでは、まだまだ、と思っていいるが、50m。100m。と離れて、見えなくなると、もうだめだ。

 15キロ通過 1時間06分57秒 (ラップ23分07秒)
 立て直し、やり直し、組み立て直し。去年のつくばマラソンのように、サブフォー勝負なんてことのないように。目標再設定、サブ3.5(3時間30分)!このラインは絶対守る、守れたらすごいぞ、ということにして走ることにした。

 18から19キロ地点にかけて、すごい傾斜の登り坂。あれえ、コース変更で、平坦になったんじゃなかったっけ。これじゃ、高速コースとはいえないな、と思った。この1キロ5分09秒、ついに大台に乗ってしまった。

 20キロ通過 1時間31分06秒 (ラップ24分09秒)
 中間点 1時間36分24秒
 2倍すれば3時間13分だが、もう、そんなペースでは走れるはずがないと分かっていた。3時間30分は、ほぼキロ5分なので、後半は、5分を基準として、前半の貯金を下ろしていくことになるな、と思った。

 まずは、平坦な区間、なんとか、キロ4分台を維持していたので、どこまで行けるか、30キロ地点までこのペースで引っ張れれば、と思った。

 25キロ地点は、印を見落としtが、前後から推計すると、
 25キロ通過 1時間54分46秒 (ラップ23分40秒)

 ペースが落ち着いてきている。とにかく、30キロまで、30キロまで。このまま、このまま。

 30キロ通過 2時間19分33秒 (ラップ24分47秒)
 よしっ。いける。心の中でガッツポーズ。残り、キロ6分ちょい切りペースで、3時間30分が切れる。もし、キロ5分ちょい切りペースなら、3時間20分が切れるのだが、それはないな、体感からそれはないと思った。

 事実、給水のたびに、ペースが、ガクンガクンと落ちていくのがわかった。ちゅっとスピードを緩めると、元に戻らなくなるのだ。かといって、給水なしで走れるはずもなく、給水所では、スポーツドリンクと水を両方取り、スポンジで頭から冷やした。東北地方とはいえ、まだ10月、暑さのほうが問題だ。

 30キロで行ける!としてから、キロ5分台キープが基準となった。このまま、落ちなければ・・・と思った。

 35キロ通過 2時間46分36秒 (ラップ27分03秒)
 36キロから40キロは、だらだら登り坂。しかし、往路と同様、あまり坂は感じなかった。それより、脚にも身体にも「きている」感じになって、やばくなってきた。36から37キロが、6分03秒で、もう一段階上の大台を超えていまうと、このまま、底なしに落ちていくのではないか、という体感だった。キロ7分、8分・・・・3時間30分には、全く間に合わない!

 アメ玉があればなあ。つくばマラソンは、アメ玉で救われたのだ。今回も、パンツの間にはさんでおくつもりが、忘れていた。各給水所には、アメ玉はなかったが、塩とバナナがあった。塩は前半から少しずつ取っていたが、バナナは、当然、無視していた。しかし今は、このバナナしか、救われる道がないと思った。

 バナナ、バナナ・・・
 第9給水所 37.5キロ地点
 待望のバナナを取った。半分いや、3分の1の大きさか。でも、これで大丈夫。もう、大丈夫。力が沸いてくるぞお、と自己暗示にかけた。

 37から38キロ キロ6分45秒まで落ちたが、バナナパワーが利いてくると、
 38から39キロ キロ5分51秒
 39から40キロ キロ5分29秒
 
 40キロ通過 3時間16分33秒 (ラップ29分57秒)
 よしっ。いける。2回目の心の中でのガッツポーズ。残りキロ6分ちょい超えてもOKだ。
 第10給水所 40.7キロ いつもなら、ここまできて給水してもしょうがないでしょ、って無視する場所だが、今日は、ここでもバナナをゲット。ラストに向けて、エネルギー感を蓄えた。

 40から41キロ キロ5分37秒 

 最後は、陸上競技場500m。競技場入り口で、後ろから追いかけて来るランナーの気配を感じたので、絶対に抜かれないようにとラストスパート。3時間29分台から、28分台、そして、最後は27分台に目標を上方修正。41キロ以降は、キロ換算で、4分50秒。しっかり走れたと思う。

 ゴール 3時間27分57秒 (ラップ11分24秒)

 


 4週間も、ほぼ全く走っていない状況としては、3時間30分が切れたので、よしとしよう。ゴール後は、レース途中で立てた目標をクリアできて、満足感のほうが大きかった。
 しかし、冷静にラップタイムを見ると、ひどい失速レース。もう少し賢く走ればタイムは上だったなと思う。尾崎朱美さんに目がくらんじゃったかな。

 ゴール後は、盛岡で妻と合流し、ベアレンのオクトーバーフェストのビール飲み放題で、おおいに楽しんだ。
距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:01 - 北上総合運動公園北上競技場
 5km 0:21:52 0:21:51 やや下り
〜 10km 0:43:50 0:21:58 平坦 北上川を上流方面へ
〜 15km 1:06:57 0:23:07 平坦 北上川を上流方面へ
〜 20km 1:31:06 0:24:09 最大難所の登りあり
〜 中間点 1:36:24 - 下り
〜 25km 1:54:46 0:23:40 平坦 北上川を下流方面へ
〜 30km 2:19:33 0:24:47 軽い登り下りあり
〜 35km 2:46:36 0:27:03 平坦 北上川を下流方面へ
〜 40km 3:16:33 0:29:57 やや登り
〜 ゴール 3:27:57 0:11:24 北上総合運動公園北上競技場