2004.10.10 新潟マラソン 完走記

 8月の北海道マラソンで、思いがけず、3時間08分21秒の自己ベストがでました。 その後も絶好調で、練習では、5キロ、10キロ、20キロ、30キロと、自己ベストを更新、新潟マラソンでは、普通に走って、自己ベストがでるのでは、と予想していました。

 3年連続参加の新潟マラソン。 今年も、家族も一緒で、2泊3日の旅行でした。 前日は、台風接近の中、妻の運転で、高速道路、一路、新潟へ。 関東はどしゃぶりの雨でしたが、関越トンネルを越えると、雨はやんでいました。

 当日の朝、ホテルを出て、まず感じたのが、風が強いな、ということ、街路樹も揺れていました。 ただ、風向きは、陸から海へ、つまり、行きも帰りも、横風なので、影響は小さいかもしれない、と思いました。 天候も曇り、ちらほら霧雨も。 やや蒸し暑いけれど、晴れていない分よしとしよう。

 スタートで並んで入る時、EJさんとお会いしました。 EJさんは、今回は調整のようで、キロ4分30秒位で行く、ということだったので、とりあえず、一緒の走ってもらうことにしました。

 スタート位置は、かなり前のほうで、ロスタイム3秒。 前に並んだ以上は、最初は邪魔にならないように速く走るのが義務、というのが私のポリシー。 ところが、丁度、すぐ前に、周りのペースに惑わされず平然と走る女性ランナーがいたので、これ幸い、とこの女性ランナーに、競技場内の200mちょっと、つかせてもらいました。 

 思いがけず、ゆったりとしたスタート。 もしかして、遅すぎるかな? 体感では、4分40秒くらいか? と思っていたら、1キロの距離表示を、並走していたEJさんが見つけてくれました。 4分15秒。 いやいや、遅いと思っていたら、ちょい、速過ぎるんだ。 でも、距離表示は正式なものではないから、狂っているかもしれない、しばらくは、このままで行こう、と決めました。

 4キロ地点で、大江戸飛脚会のkinoppyさんが、抜かしていきました。 「21分30ペースかな」と言っていましたが、果たして、その通り! 5キロ通過は、21分29秒(ネット同26秒)でした。

 となりのEJさんから、「調子はどう?」と聞かれ、「苦もなく、楽もなく」と答えました。 脚は軽かったのですが、この時点で、すでに、薄っすら汗をかき、暑いなあ、と感じ始めていました。 さらに、まずいことに、お日様が、意地悪しているように、雲の合間から顔をだしてきました。 頼むから、雲に隠れてちょうだい! 雲はいっぱいあるでしょう! と言いたかった。

 汗は、ますます出てきて、目にしみるようになってきました。 6キロ地点で、65歳超のサブスリーを目指すランナー いっちゃんが、勢いよく抜かしていきました。 そうだ、いっちゃんについていこう。 ペースは正確だからね。 EJさんにも、そのことを伝え、しばらく、一定の距離を置いて、後ろにつくことにしました。 

 さすが、いっちゃん、勢いがあるように見えましたが、やがて、まわりに惑わされず、しっかり、キロ4分30秒を刻んでいるようです。 がまん、がまん、いっちゃんのラインを超えてはいけない。 越えたら、終盤、しっぺ返しが来るぞ、と言い聞かせながら、走っていました。 

 10キロ手前あたりでは、体感では、ジョグに近い感じになっていました。 練習前のアップのようです。 でも、これで、いいんだ。 マラソンハ30キロからが勝負!

 5キロ〜10キロのラップが、22分33秒。 この時点で、かなり迷いました。 このまま、いっちゃんペースで行くか、ちょっとペースを上げるか? この時、「自己ベスト更新」ということが、頭によぎりました。 22分30秒だと達成できない。 後半、どうしても落ちることを考えると、22分00秒くらいで行きたい。 

 結局、いっちゃんの前に出て、ペースを上げることにしました。 始めは、自分のペースを取り戻して走りやすくなったな、と思いましたが、やがて、そうでもないことに気がつきました。

 10〜15キロのラップが、22分08秒。 体感では、上げているのに、数字は、さほど付いてきません。 この辺りから、イーブンで走っているはずのEJさんから、少しずつ遅れ始めました。 無理すれば、追いつけたと思いますが、まだレースは前半、自重しました。 しかし、自分では、イーブンで走っているつもりなのに、まわりのランナーからも、抜かされ始めました。 
何だか、おかしい。

 15〜20キロのラップが、22分28秒。 やっぱりおかしい。

 折り返し地点があって、風を心配しましたが、横風ということがあって、走り心地には変化がありませんでした。 まずはホッ。 ハーフは、1時間33分50秒で、2倍されば、自己ベストですが、この地点で、すでに、あまり自信がなくなっていました。 

 それでも、できることはやろう、ということで、いつものハーフを過ぎてからの逆襲を始めました。 前を行くランナーをひとりひとり、捕らえていきます。 20キロ手前で抜かされたランナーを、この地点で、抜き返していきました。 

 それでも、20〜25キロのラップが、22分45秒。 ええ、どうしてえ? 精一杯、走っているのに・・・

 ここから先は、やや、アップダウンのあるところ。 スピードが落ちている、という自覚もでてきました。 それでも、相変わらず、少しずつではあるけれど、前のランナーを、ひとりひとり、かわしていきました。

 25〜30キロのラップが、24分36秒。 ひぇー どうしてー。
 この時点で、自己ベストがきつい、と観念しました。 ここからが勝負、のはずでしたが。  海岸線の直線一本。 いつの間にか、天気は、快晴。 気温も、後で調べたら26度まで上がっていました。 今年もまた、 この海岸通りは、日干しのロードとなりました。 それでも、周りのランナーも同じ条件。 前を見て、ひとりひとり、追いつくようにして、走っていました。

 30〜35キロのラップが、26分22秒。 35キロ手前にして、キロ5分を越えてしまうとは。 久しぶりのことです。 ラスト5キロの川沿いのサイクリングロードを元気に走る、というのを、今年の目標にしてきました。 せめて、そこだけは、ペースアップしたい、という思いから、35キロ過ぎの丘越えのところでは、あえて、ペースを落とし、来たるべきラストロードに備えました。

 あと5キロ地点手前の給水所。 私は、スポンジでウェアを濡らすのが好きではないのですが、ここは、思いっきり、後頭部と膝にかけました。 関屋分水の橋の上で、丁度残り5キロの看板。 と、その時、ダッ ダッ ダッ とすごいピッチのランナーが、横から駆けてきて、抜いていきました。 あっ いっちゃんだ! 

 何度が見た様な光景。 やっぱり、いっちゃんの前を走ったのは、失敗でした。 サイクリングロードに入り、せめて、もうひと踏ん張り、いっちゃんについていこうとしても、50mも持ちませんでした。 先日、トラック1万mの練習会で、同じいっちゃんの背中を見て走ったばかり。 その時は、キロ4分半の遅さに我慢ができず、5千mから前に出ました。 今度は、マラソンで、やはりキロ4分半(後で、5分まで落ちてたよ、と言われましたが) が速くて速くて、ついていけません。

 またしても、3年連続、このサイクリングロードは地獄のロードとなりました。 時折、がんばろうとペースアップを試みましたが、全然だめ。 脚は動かないし、ちょっと動くと息があがる。
 こんな落ち込んだ走りをして、後で、後悔はしないか、と何度も自問しました。 答えは、後悔はしない、でした。 もうぶっ倒れそうなのをこらえている感じ。 それでもゴールへ向かって歩かないでいるのはすごい、と自分を励ましながら進みました。 

 40キロが、3時間12分25秒。 この時点で、思考能力ゼロ。 何とかがんばれば、20分が切れるか、とか思ってしまいました。 全く計算ができていない! 残り600m位で左折して、一般道にでます。 去年は、ここからペースをあげられたのに、今年は全くだめです。 最後のトラックでも、そして、最後の直線でも、ラストスパートがかからず、他のランナーに抜かされ続けました。

 よくやった、完走! 自分をほめてあげよう。 ゴールでは、バンザイをしよう、と思いましたが、最後、手を上にあげる力も残っていませんでした。 

 ゴール後、EJさんと再会して、「マラソンておもしろい」と言いましたが、全く実感です。 今回ほど絶好調で臨んだマラソンはありませんでした。 30キロ走も、9月に2回こなし、持久力の面でも、ある程度カバーできるのでは、と思っていました。 家族にも、ベストが出そう、と言っていましたが、結果は、散々でした。 ハーフマラソンなら、ほとんど練習通りの結果がでるんでしょうけど、マラソンは、やってみないとわからない、おもしろいスポーツですね。

距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:03 陸上競技場
〜 5km 0:21:29 0:21:26 街の中
〜 10km 0:44:02 0:22:33 海沿いの一本道
〜 15km 1:06:10 0:22:08 坂あり
〜 20km 1:28:38 0:22:28 森林の中の一本道
〜 中間点 1:33:50 森林の中の一本道
〜 25km 1:51:23 0:22:45 森林の中の一本道
〜 30km 2:15:59 0:24:36 坂あり
〜 35km 2:42:21 0:26:22 海沿いの一本道
〜 40km 3:12:25 0:30:04 川沿いのサイクリングロード
〜 ゴール 3:27:43 0:15:18