2005.05.22 柏崎潮風マラソン 完走記

 たいへんタフな、マラソンコースです。  完全ワンウェイ折り返しで、簡単にいうと、峠越えが4ケ所、それぞれ標高差、90m、80m、30m(下がり切らないで登るので、ここは30m)、90mというコースです。 ウルトラマラソンとか、距離がフルでない大会なら、これよりもタフなコースはいくらでもありますが、フルとなると、一般的には、記録のでやすいコースを考えるため、珍しいと思います。 おまけに、季節が5月、耐久レースの感があります。 
 昨年、アテネパラリンオイック金メダルの盲人ランナー高橋勇市選手が走って2時間50分45秒でした。 練習の一環で走ったのしょうが、彼は別大資格ランナーですから、ベストより10分以上、落ちています。 ということは、自分も、3時間20分で走れればまずまず、30分超もありうるかな、と予想しました。

 新幹線で、大宮から長岡、信越線各駅電車に乗り換えて柏崎へ、前日受付に間に合うように、現地入りしました。 駅から受付会場までは、3キロくらいかな、時間がぎりぎりだったので、ちょっとジョグしてみました。 重い。 今回は、難コースに備えて、脚を軽くするため、直前4日間も全休したのに、何だったんだろう、と正直思いました。

 前日は、ステーキ付きの夕食。 翌日、6時起床、食事を6時半に取って、宿から歩いてスタート地点へ。 天気は、晴れ。 会場の柏崎港東埠頭に着くと「現在の気温25度」のアナウンス。 そんなにあるのかな、と思いましたが、シューズの紐を結ぶためかがみ込むと、それだけで額から汗が・・・ 確かに暑い。 5月のマラソンだから覚悟はしていたとはいえ、もう、開き直るしかありません。

 フルマラソンのスタートは、午前8時。 8時30から、ハーフマラソンと、(ハーフの距離の)リレーマラソン、8時40分から、10キロウォークのスタートです。 

 まず、例によって、トイレへ、長い列。 20分前で間に合わないかな、と思いましたが、充分な数が確保されていて、5分ほどでクリア。 スタート地点に行くと、「3時間以内で走る人は、遠慮なく、前に並んでくださーい」と係りの人がアナウンス。 他の大会たと、自分の実力を顧みず、前へ前へ並ぶランナーが多いのですが、この大会は、そもそも、タイムを狙っている人は、一人もいないのでしょう。 

 私は、3列目に並んで、スタート。 埠頭を200mほど走って公道に出ます。 先頭が、びっくりするほどの速さというとこもなく、先頭集団に付こうと思えば、1キロくらいはいけるんじゃないか、やってみようか、と思えるほどでしたが、先が長いので、バカなことをするのはやめました。 

 この大会、1キロごとの表示があります。 1キロまでのラップ4分15秒。 このあたりで、女子1位のランナーに抜かれます。 とても均整のとれた安定した走り方をしていたので、この女子選手の後ろ10mほどあけて付くことにしました。 この人の前に出てはいけない、前にでたら35キロ以降気持ちよく抜かされるぞ、と思いまして・・。 2キロまでのラップは4分05秒(速っ!?)。 トンネルを抜けて、国道8号線をくぐる地下道の階段を抜けます。 この地下道の階段が、このコースのユニークなところ。 信号で止められないので、私は異義なしですが、盲人ランナーは大変だったでしょうね。 さて、3キロまでのラップは、4分44秒。 地下道のロスは大きいようです。 まあ、1キロラップは、おおまかな目安というで、あまり気にしないでいきましょう。 

 さて、このあたりから、いよいよ峠道。 先の女子先頭ランナーを抜かしてはいけない、と思っていたのですが、そんな心配は無用、 逆に差を空けられ始めました。 まわりからも、少しずつ遅れ始めています。 やっぱり調子が悪そう。 ならば余計に無理をするのは止めよう、と自重しました。

 この大会のキャチフレーズは、「応援します! 最後のランナーまで。」です。 沿道から「もどってこいよー」と山々にこだますような大きな声の応援は、印象深く残りました。

 5キロ通過は、22分49秒。 スタート直後、それなりに走れていたので、何とか辻褄があって、トータルの数字的には、いいペースです。 

 女子2位にも追いつかれ、キロ5分まで落ち、ずるずると言う感じでしたが、7キロ地点で、「ここから下りですよー」との声を聞き、元気になりました。 下りは、ひと蹴りしてから、とにかくブレーキをかけないことを意識して走ったら、グングン行ける! さっき抜かされたランナーを次々と抜き返していきました。 7〜9キロの1キロラップは、3分54秒と3分54秒。 マラソンなのにこんなにスピード出してもいいの? とも思いましたが、無理に苦しく走っているわけでもないので、自然に行きました。 目標だった女子1位のランナーも抜いてしまいましたが、仕方がありません。

 9キロ地点で、再び標高はほぼゼロに。 新道という田園地帯に入りました。 10キロ通過は、45分08秒。 登りと下りがチャラになり、いいペースです。

 しかし、平地に入ると、また抜かされ始めました。 やがて、後ろから、速いピッチと声高い息使い。 やっぱり女子1位が来たな、と思って抜かされる時に横を見たら、50代のおじさんでした(笑)(ゼッケンで年代別がわかります、)  このあたり、厳密には、気が付かない程度に少しずつ登りとなっているのですが、10キロからの1キロラップは、4分30、26、32,27でした。 沿道の応援は、すばらしいです。 大きな板(?)から顔を出しての応援などは、思わず、吹き出してしましました。

 給水所では、今回、このあたりから、水を後頭部と膝にかけるようにしました。 今までは、ウェアが重くなるので、水掛気は嫌いでしたが、今回の気温では、1キロも走ると乾いたので、正解だったと思います。

 15キロ手前に下り坂があり、15キロ通過は、1時間07分21秒。 全体でキロ4分30秒をキープしています。 ところが、ここからが2つ目の峠、距離は1キロほどと短いでですが、勾配は1つめの峠よりきついものでした。 ここで、昨年12月の所沢シティハーフでコツをつかんだ、登り専用のピッチ走法に切り替えてみました。 それも思いっきり徹底して! どちらかというと、身長比ではストライド走法の自分にとっては、「らしくない」走り方でしたが、これが大成功。 ダッダッダッとすごいピッチで前を行くランナーを詰め、追い越すことができました。 走り仲間のピッチランナーのぱんくろうさん、いっちゃんは、いつもこういう感じで走っているんだなあ。

 下りは、切り替えて、また、ガンガン飛ばしましたが、さきほどほどうまくいかない感じで、坂の終わりにほうでは、逆に抜かれることも・・ 登りがよかった分、得意の下りで・・・ ちょっと悔しい思いです。

 ここからが、別俣地区。 四方緑の山に囲まれは、田園風景、 ここで生まれ育ったら、ふるさとを強く感じるだtろうなという風景でした。 そう、書き遅れましたが、柏崎でも、昨年10月の新潟中越地震では、被災の中心部ではありませんでしたが、被害があり、開会式の挨拶では、いまだに不便な生活をされているかたがいるとのことでした。 走って見る景色からは、その痕跡はひとつも見つけませんでしたが・・・

 この別俣地区の応援は、格別でした。 人口が少ないせいで、沿道が途切れることなく・・・と言うのとは違い、地域の人が、1ケ所に集まり、太鼓を鳴らし、拍手と声による、暖かい応援でした。 フルマラソンの全エントリー数380人という小規模な大会なので、この辺りまで来ると、ランナーはばらばらになっています。 ひとりひとりが通過するたびに、1回ずつ、みんなから、暖かい応援をいただくかたちとなりました。 あまりの声援に、私も「ありがとうございます!}と声で返すと、それに対して、また、ウォーって盛り上がる感じで、とても感激しました。

 この大会、スペシャルドリンクは2ケ所に置けます。 私は、ドリンクにはこだわりがなく、その分、朝のんびりしたかったので置きませんでしたが、スペシャルの給水所では、前の方でゼッケン番号を伝達して、ランナーが取りやすいようにしているようでした。 新潟マラソンと同じですね。 なお、ゼネラルドリンクは、水とポカリスエット(だと記憶しています、)で、スポンジもあり、給水所は充分にありました。

 ハーフの折り返し通過は、1時間35分43秒。 予想以上にいいタイムでした。 気がつくと雲だ出てきていて、晴れたり曇ったり、という感じになっていて助かりました。 

 25キロまでは、比較的平坦。 そこから、3つ目の峠になります。 ここは、坂の始まりの標高が高いので、高低差は、30mぐらい。 再び超ピッチ走法で、乗り切りました。

 26キロから下り、そして34キロまでは、比較的平坦です。 この辺りまで来ると、ランナーは、一層まばらになり、前を行くランナーが一人も見えない時間帯もありました。 そうした中、1ケ所で、右折することころを直進しようとしてしまう一幕もありました。(ロス2秒くらい) 30キロ通過は、2時間15分51秒と、相変わらずいいペースでした。  いつもは、ここから別人のように、ガクッとなってしまいます。 今日はどうだろう? いつまで持つだろうか? という不安を感じなhがらも、マラソンは、30キロから! 先月のかすみがうらマラソンの悔しさを忘れるな、はるばる日本海まで来て、また同じ失敗は繰り返せないぞ、という気持ちを大切にしました。 ただ、今回は、給水を充分すぎるくらいしてきたこともあり、胃のほうの受付が限界に来ているように思えました。 残り、12.195キロ、ほとんど飲めないな、と覚悟しました。

 34キロからは、最後の4つめの峠。 標高差90mを一気に登ります。 20mほど前に、さっきから、ほぼ同じペースで走っている若者ランナーがいました。 Tシャツにハーフパンツ。 いつも思いますが、若者ランナーに、ランシャツ・ランパンは少ないですね。 Tシャツにハーフパンツだと、「別に、本気だしていませーん」って言っているみたいで(誤解ですけど)、負けたくないな、と言う気持ちになってきます。 この登りで、追いつくぞ、ピッチ走法で勝負だ。 ところが、この最後の登りでは、ピッチがどうしても上がりませんでした。 ストライドが狭くなっただけで、キロ6分まで落ち、若者ランナーにも、差を広げられました。 ここは、じっと我慢と、無理をせず、下りに入ってからの逆襲に備えました。

 そして、35キロ過ぎから、いよいよ下り! それー といくつもりが、後ろから、メッシュシャツのランナーに抜かれました。 このメッシュシャツさんも、レース中、私の前にいったり後ろに行ったりしていたランナーです。 下りは得意、と私自身は思っていますから、負けたくありません。 一度、蹴りを強くして、抜き返しましたが、今までの3つの峠の下りほど、乗れてこれません。 メッシュシャツさんは、どんどん行ってしまいました。

 それでも、36キロからの1キロラップは、4分27、21,01! ちょっと恐いくらいのスピードがでていました。 そして、例の地下道の階段。 下りで、足を踏み外しそうになり、一瞬ビクッとしました。 地下道を越えると、走りのリズムが狂ってしまいました。 こので、下り坂で抜き返した、例の若者ランナーに再度、抜き返されました。

 スタート地点から、ずっと1キロごとの表示を見落とさずにチェックしてきましたが、40キロの表示が、なかなか来ない。 おかしいなあ、と思っていたら、トンネルを越えたところに「残り2キロ」の表示がありました。 41キロも42キロの表示も、見つけられませんでしたから、おそらく、この大会は、残り3キロからは、残り距離表示に変更ということになっていたようです。

 残り1キロ、3時間08分18秒。 12分台を確信しましたが、より確実にするため、前にいる例の若者ランナーを追うことにしました。 ちょっと無理そうでも、追っていくことに異義がある! 残り400mくらいで、いよいよその差が20mくらいになり、ゴールなでに再逆転できそうだな、と思った矢先、その若者ランナーも、ラストスパートをかけ始めてしまい、差は再び広がり追いつけませんでした。 それでも、残り1キロは、4分09秒でしたので大満足です。

 さあ、公道と分かれて左折。 港の埠頭に入ると、ゴール前、赤いジュータンが敷いてあるではありませんか(感激1)。 ひとりひとりの走りっぷりが会場にアナウンスされます(感激2)。 私は、「軽い走りですね」とアナウンスされました。 そして、嬉しいことに、ひとりひとりゴールテープを張り直して、ランナーに切らせてくれるのです(感激3)。 私も、思わず、バンザイポースでゴールしました。

 3時間12分27秒。 総合18位。 とても楽しい42,195キロでした。

 記録証発行所で、また、嬉しいことがありました。 「40歳台8位だたら、賞状があります。呼ばれるまで、待っていてください。」 とのこと。 ウワーイ 入賞だ! 

 表彰台は3位まででしたが、8位までは入賞。 賞状と「かしわざきワイン」というロゼのハーフボトルをいただきました。 フルマラソンの賞状なんて、一生に初めで最後の可能性が大きいにで、帰宅後、額に入れて、我が家のリビングに飾りました。 ワインは、一週間たつ今も、まだ、もったいなくて、飲んでいません。

 今回、この難コースと高い気温で、3時間12分で走れたことは、自信になりました。
 よかった点をあげると、
 1 直前4日間の全休(充分な休養)
 2 4月から、昼休みランを始め、走行距離が延びた。(といっても300km未満ですが)
 3 故障なし
 4 体重が、先月より1.5kg減
 5 登りと下りの走り方を完全に変えたこと
 6 関係ないかもしれないが、前日のステーキ 
   (2002年大田原マラソンの成功の前日もステーキ)

 今回の使用シューズも、グリップ力抜群の、ミズノのウェーブエキデンでした。 片足 135g (26.0cmの場合 メーカー発表)の軽量シューズで、マラソンを走り切れたことは、やはり、自分にとって、このシューズしかない、と確信しました。


 次は、8月28日の北海道マラソン。 コースは、はるかに高速用ですので、気温が30度にでもならない限り、タイム的にも楽しみとなってきました。


距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:01 3列目スタート
〜 5km 0:22:49 0:22:48 海岸線から山へ
〜 10km 0:45:08 0:22:19 1つ目の峠越え
〜 15km 1:07:21 0:22:13 比較的平坦な田園地帯
〜 20km 1:30:34 0:23:13 2つ目の峠越え
〜 中間点 1:35:43 若干上る
〜 25km 1:53:31 0:22:57 比較的平坦な田園地帯
〜 30km 2:15:51 0:22:20 3つ目の峠越え
〜 35km 2:40:27 0:24:36 4つ目の峠
〜 40km 3:02:36 0:22:09 峠下りから海岸線へ
〜 ゴール 3:12:27 0:09:51 海岸通りを会場へ
40キロ地点は、表示がなかったか、見落としたため、
39キロと残り1キロのタイムから割り出しました。