2007.02.18 東京マラソン 完走記  

 東京マラソン、10月に当選通知が届いてから、ずっと目標にしてきました。
 観光気分でゆっくり走る手もありますが、やはり、全力ポリシーの自分らしく、サブスリーを狙っていこうと思いました。

 3週間前の館山若潮マラソンで、3時間03分41秒。 アップダウンの条件は、東京の方がはるかにいいし、館山の時は痛めていた、膝が、東京マラソン前には、完治していました。 体調もよく、前日は、4食取り、エネルギーも充電して、ばっちりでした。

 今回は、妻と息子のサポートで、荷物も預かってもらうことにしました。 会場のトイレは600と聞いていたので不足すると判断し、初めから並ぶつもりはなく、別の駅で済ませてきました。 
 50分前、アップを兼ねてサアーっと走ったら、実に足が軽い。 経験的にみて、初サブスリーだった去年の泉州マラソンの時かそれ以上の仕上がりで、普通に走れば、サブスリーはもらった、と確信しました。
 スタート位置への移動も、45分前、早すぎず遅すぎず、ぴったりのタイミングで、何と、Cブロックの最前列に並ぶことができました。 ここまでは、完璧、予定通りでした。 

 ところが、気温5℃の氷雨に中、ランシャツ・ランパンで、立っているうちに、10分も経たないうちに、鳥肌は立つは、歯はがたがた、足先はびしびしょで感覚がなくなり、大腿付近の筋肉もこわばった感じとない、これは、やばいとないました。 さらに、最前列に並んだため、風を受け、後悔しました。
 まわりを見ると、東京メトロのマークの入った簡易カッパを着ている人が多く、聞いたら、荷物預けの所で配っていたとのことでした。 そうだったのか。 こんなにみんな使っているなら、捨て場所にも困らないよな、しまった、と思いました。
  やがて、前方から、傘をさした紳士が近付き、「あなた、大丈夫ですか?」と声かけてきました。 顔を拝借すると、何と、陸連の澤木理事ではありませんか。 思わず緊張してしまいいました。 「大丈夫です」と答えたら、「飴玉でもなめなさい」 と、一ついただきました。 最前列に並んで、得をした気分になりました。
 やがて、どこからか、カッパをいただき、かぶりましたが、これが、丈が長く、足で踏んでしまうので、スタート前に、選考の部の人たちの分に混ぜて、回収してもらいました。
 
 石原知事の挨拶、車椅子の部のスタート、やがて、世界陸上選考の部の選手達が前に入ってきて、いよいよ号砲です。

 スタート後は、それなりのスピードで走っているつもりでも、楽に感じました。 実際は、感覚がなかっただけのようです。 それにしても、この雨の中、沿道は、寒々かと心配していたのですが、人垣だできているではありませんか。 新宿歌舞伎町の靖国通りに出た時には、感動して、思わず涙がでそうになりました。 

 2キロ過ぎたあたりで、すえおさんに会い、2キロ通過は9分だったと教えてもらいました。 えっ、遅かったのか! この時、初めて、サブスリーペースより遅れていることを知りました。
 富久町の下りで、キックを入れ、勢いをつけましたが、長続きせず、4キロ通過は、17分45秒、 5キロ通過は、22分28秒でした。 レース前、いろいろなケースをイメージして、どんな場合でも、慌てないよう準備していましたが、最初の5キロは、オーバーペースーペースの方が心配で、一番遅い想定でも、21分30秒くらいでした。 全くの想定外の展開に、頭が働かなくなりました。

 もしかしたら・・・後から考えたことですが、ここで、がむしゃら、エンジン全開にして、無理にでも、数字を作っていったら、身体が温まり、結果としてうまくいったかもしれません。 髭さんが横を通り過ぎ、「遅いな」と言っていただいたのに、ペースを上げず、いつものマラソン序盤感覚で行ってしまったため、遅いペースにはまってしまいいました。

 10キロまでは、ぼおーっとしていたように思います。 通過タイム46分37秒を見て、ただ、あきれてしまいました。

 やがて、MITAさん、ぱんくろうさんに追いつかれ、「一緒に行きましょう」と誘われ、しばらく付いていったのですが、ちょっと、気を緩めていたのか、見失ってからは、反動から、さらにペースが鈍ってきました。

 kinoppyさん、やすさんに、抜かれ、品川付近で応援していた、モンゴルさんは、「とっとこさんは歩いていました」 と某掲示板で報告していましたが、決して歩いてはいません。 が、歩いているように見えるほど、ペースが落ちていました。

 往復、増上寺のあたりで、「とっとこさーん」という女性の応援をいただきました。 視力が弱いせいもありますが、どなただか分かりませんでした。 ありがとうございます。 それは私です、という方がいらしたら、教えてください。

 19キロ地点で、トイレ(小用)に寄りました。 10キロ付近から、気にはなっていたのですが、まだまだ我慢できたはずです。 ちょっと休みたい心理が働いてしまったのでしょう。 いきなり決心して、飛び込んでしまい、すぐに後悔しました。 前の人がいて、並ばなければならなかったからです。 ロスタイム1分か・・・ トイレ待ちをしている間に、背中から、じわじわと、戦意喪失。 ここで、レースとしては、事実上、THE END となりました。

 あとは、銀座。浅草を楽しもう。 これからが、ハイライトだしね。  ハーフ手前で、すえこさんに追いつかれ、無理やり話しかけてしましました。 迷惑だったかな。 せめて、後半は、しっかり走りたいなどと、すえこさんに宣言して、また、少し、元気を取り戻しました。

 ハーフは、丁度、有楽町のガード下。 このあたりの応援もすごかったなあ。 さあ、いよいよ後半だ、しっかり行こうと、少しスピードアップしました。 銀座中央通りは、人出も多く、感激でした。 ところが、走りのほうは・・・ 23キロあたりで、気がついたら、追い越しモードのつもりが、周りから、遅れているではありませんか。 そのあたりで、赤十字を背中につけたお医者さんランナー=どららの相方さんが、さっと通りすぎ、心配そうに振り向いて、元気付けの声をかけていただきました。 しばらくすると、なーやんさんに追いつかれ、やはり、心配そうに声をかけられました。 やがて、しばらくしたら、また、なーやんさんがいるではないですか? あれ、どうして、と思ったら、「これ、着ませんか?」と、東京メトロのカッパをいただきました。 あまりにも寒そうな私を見て、どこからか調達したと、後で伺いました。 もう、大感謝です! こにかく、何とか、温めなければ、と思っていたので、渡りに舟でした。 なーやんさん、神様、仏様、まさに救世主でした。

 事態を打開するために、27.5キロ地点では、給食を取りました。 バナナ2切れ、梅干、パン1個。 そうしたら、もう1つ、とボランテイアの方に手を出され、結局2ついただきました。 「おやじ! 食べてる場合じゃないzそー」と沿道からの声には、笑ってしまいそうになりました。 「がんばれー」の声も嬉しいけど、そういう風に具体的に言ってもらうと、リアルでいいですね。

 浅草周辺の応援は、すごかったですね。 雨の中、こんなに多くの人が、トップ通過から1時間以上、経つのにいるなんて、本当に感動しました。 走りは、キロ7分近くで、ほとんどジョグになっていましたが、喜びを感じつつ、走っておりました。

 29キロで、再びトイレ休憩。 2回目となると、開き直っていて、気分転換が狙いでした。 ゆっくり膝の屈伸をして、道路に復帰しました。

 30キロ通過が、2時間41分15秒。 自己ワーストの通過タイムです。 残りキロ6分だと、マラソンの自己ワースト更新です。 それどころか、少し遅れれば、サブフォーも危ない。 
 
 このままでは、全力を出すという宣言が嘘になる、落選した人の分まで、全力で走ると言っていたじゃないか、そう思うと、前抜きな気持ちが復活してきました。 取り合えず、1キロ1キロ、前の1キロノタイムより速くを目標に、ビルドアップしていこうと決めました。 

 カッパの効力で、ようやく身体が温まってきたのか、雨が止んできたのがよかったのか。そこから先は、だんだんとエンジンがかかってきました。

 29キロからの1キロごとのラップは、
  5’56−5’35−5’25−5’14−4’59−4’51−4’54−4’42−4’32−4’24−4’27−4’28−5’05(1キロ換算4’15) です。

 前半は、ことごとく1キロごとの看板を見落としたのですが、ここからは、しっかりチェックができました。 ようやく、平常心にもどったのだと思います。

 キロ4分台に戻ったときは、自分に「お帰りなさい」と言いたい気分でした。

 最大難所の佃大橋、「本当は、ここが勝負となるはずだったのになあ」、と、楽々超えている自分が、少し、悲しくなりました。

 37.5キロの給水所で、カッパを脱ぎ捨て、せめて、最後の5キロは、自分らしく走ろう!と決めました。
 豊洲前の晴海通りで、ようやく、足は地面を捉える感覚がもどりました。 そうだよな、この感覚が、走る感覚なんだよな、でも、遅すぎます。 残りは、5キロしかありません。 せめて、3時間40分を切ろう、というのが、最後の目標となりました。 やはり、目標がないと、元気がでません。

 40キロ、41キロ前に、坂が2つ。 最後の坂は、さすがに、苦しさを感じましたが、下見で承知していたので、先が見えていた分、難なく乗り越えられました。

 東京ビッグサイト前を左折地点。 残りは、500mちょっと。下見の時、「もし、ここで、2時間58分15秒だったら、諦めないで全力でいこう。」とイメージしたのでした。 今、時計を見たら、「3時間37分・・・」 笑っちゃうよな、と思いつつ、40分は、切れる、ト確信しました。

 ゴール前、さすがにお祭りの雰囲気で、顔をしかめるまで、頑張るのは、気がひけましたので、やや、余裕を持ってゴールしました。 最後は、バンザイ! 記念すべき、第1回東京マラソンでの完走。 内容はどうであれ、嬉しいものでした。


  振り返ると、自分は、寒いのに強いという過信があったように思います。 確かに、冬の雨の中、薄着で走る練習はしてきましたが、ずっと立っている練習はしていませんよね。 そのあたり承知して、使い捨てで、完全に濡れないカッパを着ていたら、結果は、全く違っていたと思います。 来月18日の湘南国際では、寒くなった場合、多少位置が悪くなっても、できるだけ直前まで温かいところにいるように、気をつけようと思います。 その前に、3月は、3日に鴻巣に2キロ、11日にかるがも〈横浜)ノ5キロがあります。スピード強化練習に取り組むつもりです。

距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:03 - 東京都庁
〜 5km 0:22:28 0:22:25 新宿〜市ヶ谷 下り坂
〜 10km 0:46:37 0:24:09 〜日比谷
〜 15km 1:11:10 0:24:33 〜品川 第一折り返し
〜 20km 1:39:09 0:27:59 〜日比谷
〜 中間点 1:44:41 - 有楽町
〜 25km 2:05:00 0:25:51 〜銀座・東日本橋
〜 30km 2:41:15 0:36:15 〜浅草・第二折り返し〜両国
〜 35km 3:07:19 0:26:04 〜銀座・築地
〜 40km 3:30:18 0:22:59 〜4つの橋・東雲
〜 ゴール 3:39:51 0:09:33 東京ビッグサイト