2008.11.30 つくばマラソン 完走記

 2年前に大失速したつくばマラソンに再挑戦

 マラソンをやっていると、調子の波というのを感じる。 丁度レースに高波が当たると、いい記録がでる。 今年の場合、8月の北海道、9月の東京マスターズがそうだった。 全体として、波の上下があったものの、夏を乗り越え、去年よりいいペースで進んでいた。 このまま秋になり涼しくなれば、だまっていてもタイムは上がってくる。 今シーズンは楽しみだあと思っていた。 しかし・・・・

 きっかけは、やはりシューズであった。 ミズノのエキデンモデルの大幅なモデルチェンジを乗り越えたことろで、さらに軽量なユニバースというモデルを試したくなった。 ソールはエキデンとまったく同じなのだが、踵の部分のサポートをなくして、軽量化している。 ソールは同じはずなのに、はき心地は、スリッパに近くなっている。 これを9月の練習から取り入れた結果、以前からあった足裏のたこのさらに奥に内出血を起こし、切れたような痛みが走るようになった。 2007年の湘南マラソン後に痛めた状況と似ている。 あの時も練習ができずに、サブスリーランナーナーから、サブ3.5ランナーに1ヶ月で落ちている。

 痛みは、休むと改善するし、筋肉や腱に問題と違い、痛くないと思えば走れなくはない。 それでも、10000m走をやれば、終盤は必ず痛くなるということの繰り返しだった。 とにかく、つくばマラソンに向けて、長距離練習が不足していた。 そこで、11月初めの連休で、30km走を行い、翌日にハーフマtラソン走をやろうと計画した。 ところが、初日の30km走で、25km以降痛みがでて、何とか完走したものの、とても翌日ハーフを走れる状態ではなかった。 そこで、今度は、思い切って、1週間ほど休んだ。 すると、つくば2週間前の神奈川マスターズでは、5000mで19分が切れない事態が発生した。 調子の波はこの時点で、一番低い位置になった。

 しかし、そこから、波は上昇し始めた。 1週間前の合同練習12kmでは、ラスト4kmのキロラップは平均3分51秒。 5日前、10000m 38分51秒、4日前、5000m 18分51秒。 もしかして、つくばマラソンで、波が頂点になるかもしれない、という期待をしてしまった。 ひょっとして、サブスリー? いやいや、長距離練習できてないし、15000mも60分切れてないから、ダメダメ。 冷静にみて、予想タイム3時間01分から06分までとした。

 前日、軽く流して走ってみると、とても身体が軽かった。 金曜から土曜の睡眠もとれたし、順調に思えた。

 つくばマラソンのつらいところは、朝5時30分の起床。 おまけに、行きのつくばエクスプレス内では、立ちっぱなしだった。

 重要な荷物は、さっさと預け、1回目のトイレを済ませ、ここまでは、予定通りの行動、  2年前は、スタートまで焦りまくっていたから、学習効果ありだ。 トイレは長蛇の列だったが、台数が多く、スタート1時間前で、18分待ちであった。 それから、トラックでアップだ、と思って走り始めて、愕然とした。 身体が重い、硬い。 無理やり800m息が切れないぎりぎりの線で速く走ったが、動きが悪かった。

 盗まれてもいい荷物は,シートの上に放置したまま、20分前から、スタート位置に移動開始。 最終トイレは男子小用専用で、待ち時間1分。 これはありがたい。 

 スタートの列は、陸連登録なので前のほう。 10列目くらいかと思ったが、次第に、満員電車並みの混雑となった。 2時間50分切りを狙う、じんじんさんとご一緒した。 まぬみさんとも遭遇して挨拶。 まわりで「キロ4分」という声が聞こえ、自分としては、もう少し後ろが実力相当かとも思ったが、じんじんさんは、この位置が最低限のラインであろう。

 暖かくて手袋なしでいったが、支障はなかった。 北西風がやや強め。 最35キロ以降、背中から押してくれるはずだから、諦めないでね、とじんじんさんに伝える。 

  スタートロスは、7秒。 例によってペースがわからない。 道の左、1キロごとの表示を見落とさないようにとだけ考える。 ところが、4分10、20、30になっても確認できなかった。 実は、受け会場付近にある「6キロ」の表示を確認して、これなら、見落とすはずがないと思っていたのだ。 頼りにしていた目印を失い、心が動揺した。 次は見落とさないぞー、 と2キロ起点でも、下を向いて走る。 が、またもや、確認できず。 頼りにしていたものを失い、全くペースがわからなくなった。 周りを見ると、ロングタイツの人とか、あしゃべりをしながらの人に抜かれている。 相当、遅いのか、キロ4分30秒を超えているんだろうなとも思った。 陸連未登録の速い人が追い付いてきて、全体として抜かれれていくのは当然のいことなんだけどね。 そして、3キロ地点、今度こそ、と思ったが、またもや、見落とした。 この時点で、自分の走りに集中するというより、距離表示を見ようとすることで疲れてしまった。

 そして、4キロ地点。 17分12秒!! おおっ 、サブスリーの理想的タイムではないか! もしかして、調子わるくないんじゃない? ここから、誤解が始まった。 このままのペースでいこう。5キロ通過は、21分15秒

 ここから、1キロごとのチェックが始まる。 4分16秒、15秒、09秒、12秒。 距離表示は、電柱に貼ってあったりもする。 とにかく順調だった。 レース前の予想は、このレース、サブスリーには届かないはずであった。 それだけの練習ができていないし、さっき、アップの時も絶不調だったではないか! したがって、オーバーペースであることを認識すべきであったのだが、直近の週で調子が上がっていたこともあり、もしかしたら、という期待が頭をもたげてしまった。 3時間ペースにちょっとだけ貯金ができている、という理想的な数字展開でもあったのだ。

 しかし、夢は、9kmでおしまい。 9~10キロは、4分31秒、かかった。 10キロ通過 42分3っ秒 5キロラップは、21分23秒。 ペースが、極端に落ちたとは思えない。 実は電柱の表示を見ていた区間があるのだが、路面の表示(おそらく正確な表示)とずれていたのだと思う。 これだけ、いいいペース感で走れているのに、実は、5キロ以降は、サブスリーのペースが維持できていなかったのだ。 調子がいいどころか、速く突っ込みすぎたことによる、失速が始まったえいる。

 そこからは、遅まきながら、立て直しモードに入る。 周りのランナーに意識的に抜かれる。 もう一度レースを組立なくてはと思う。 まだ間に合う。 目標3時間05分以内を、心に確認する。 3時間05分切れたら凄いんだぞ、と暗示にかけるようにする。 しかし、早くも、このあたりから、心配していた足浦が痛み出した。

 15キロ通過は、1時間05分17秒 5キロラップは、22分39秒。 

 ありゃー、落とし過ぎた。 徐々に落としていくのは、難しいものだ。 22分ちょうどペースを押していかないと、目標に届かない。 次の5キロは、ペースを少し上げてみよう。 でも、ハーフ前だから、力をため込む感覚も必要。 微妙なところである。

 20キロ通過は、 1時間27分43秒 5キロラップは、22分26秒。  ハーフ通過は、1時間32分28秒。 

 一度落したペースが上がらない。 前後半、同タイムで行って、ようやく3時間05分を切れるは状況。 前半10kmまでのハイペースを考えると、無理と言わざるを得ない。
 このあたりで、髭さんい抜かれる。 「先週大田原で30kmまで走ったから、疲れが残っていて全然だめ」とおっしゃっていたが、どうしてどうして、まわりのランナーを次々抜き去る快走に見えた。 しばらく、無理についていって、「こんなう苦しいハーフは久しぶり」なんて、泣き言を聞いてもらう。 もう、しゃべるのも、息絶え絶えの状態。

 ハーフ過ぎに折り返しがある。 ここあたりから、まわりのランナーもスピードが鈍り、次第にスローモーション状態になっていく。 いつもの自分なら、ここから、別世界にいて、どんどん追い越していけるのだが、今日は、どっぷり、自分モスローモーションの世界に浸かっていくことにした。 残りの距離を考えると、ここで力を使うわけにはいかない。 まわりの流れに身を任せると同時に、目標タイムも、3時間10分から15分に下げていった。

 25キロ通過は、1時間50分23秒 5キロラップは、22分40秒。 
 30キロ通過は、2時間14分12秒 5キロラップは、23分49秒。 

 苦しいレースで、意志をしっかり持つために、常套手段にしていることがある。 順位を数えていくことだ。 1人抜いたら1プラスし、1人抜いたら1マイナスする。 ゴールまで100人抜くぞ、と大ざっぱな目標を定め、30キロ通過を起点に、カウント開始! ところが、一気にカウントは、マイナス方向へ -10くらいまで行ってしまった。 ランナーの習性として、30キロ地点を過ぎると、よし、がんばるぞ、と思うようである。 30キロ以降、順位ガマイナスというのは、イーブンを信条とするとっとこ流としては、許せないことなので、前を見て、少しずつ、逆襲にかかる。 ペースは相変わらず上がらないが、ひとり、ひとりを目標に進んでいく。 せっかくカウントを上げても、また、速いランナーが後ろから来てマイナスになる、というのを繰り返しながら、35キロ地点までには、+25くらいまでいった。

 35キロ通過は、2時間38分43秒 5キロラップは、24分31秒。 

 足裏の痛みは、ずっと続いていて。次第に強さを増していったが、リタイアを考えるほどではない。 しかし、どうしても、小さな動きに走りになっていたと思う。 力を入れると、足裏に塊を感じて、こけそうになると思った。
 35キロを過ぎると、歩きだす出すランナーもいるので、順位のカウントは上がっていく。 一度+50を超えたが、あと1キロの表示から、まわりのランナーがとたんに元気になる。 丁度、陸橋の坂があり、ここで、一気に十人ほど抜かれて、再び+40へ。 ここで、100人抜きは無理だなと思ってしまう。 それでも、また、1つ1つカウントを上げていく。 

 40キロ通過は、3時間03分22秒 この5キロは、24分39秒

 走っている時は、計算できなかったが、結果として、キロ5分を超えなかったのは良かった。 キロ5を超えたら、「失速」ではなく、「撃沈」である。
 40キロ過ぎに、小柄な上下赤のランシャツ・ランパンの女性に抜かれる。 スピード練習もやっているようなかっこいい走り方である。 このあたりの3時間15分を切るレベルの女子ランナーは、さすが、「国際ランナー」。 まず、男達のようにみじめに失速している姿は、めったにお目にかからない。 続いて、41キロあたりで、白Tシャツの女性に抜かれる。 こちらは、いかにも市民ランナースタイルで、きっと練習では、月400km位走っていていくらでも走れるスタミナがあるんだろうな、と想像したりする。 とにかく、女の子には負けたくない、という男性の本能が動き出した、 最後の最後でいいから、この2人に勝つ、と勝手に目標にさせてもらう。 

 しばらくいくと、前方に大江戸飛脚会の目立つユニフォームが見えてきた。 よおし、あそこまで追いつこう、と心に決める。 後でわかったが、この大江戸ユニは、忠太郎さんだった。 

 最後は、トラック300m。 このトラックに入る手前で、女性ランナーを抜くことができた。 あとは、大江戸ユニ。 ここまで、カウノトは+64になっていた。 

 トラックに入ってしまえば、こちらの領域だい。 何しろ、今シーズンはマスターズの陸上競技会に出まくった。 条件反射的にスピードが上がる。 最後のコーナー手前で忠太郎さんをとらえ、ゴールした。

 ゴール 3時間13分30秒。 ラスト2.195キロは10分08秒。 


 まさか、夏の北海道の3時間06分46秒に、はるかに及ばない記録になるとは、スタート前には予想もしていなかった。 今シーズンは、つくば、勝田、荒川、とホップ、ステップ、ジャンプのつもりでいたが、初戦からつまずいた。 やはり、1ヶ所でも調子が悪い箇所があるとマラソンは難しい、。 それから、やはり、距離を踏んでおかにといけない。 なるべくしてなった結果ともいえる。

 最後に、今回、見事、目標の2時間50分切りを果たした、じんじんさん。おめでとうございました。 一発で別府大分マラソンの資格を仕留めましたね。 お見事です。
 

距離 通過タイム ラップ コース
~ スタートライン 0:00:07 - 筑波大学陸上競技場西
~ 5km 0:21:15 0:21:08 筑波大学一周
~ 10km 0:42:38 0:21:23 学園東大通り
~ 15km 1:05:17 0:22:39 土浦つくば線
~ 20km 1:27:43 0:22:26 土浦真岡線バイパス
~ 中間点 1:32:28 - 土浦真岡線バイパス
~ 25km 1:50:23 0:22:40 折り返し
~ 30km 2:14:12 0:23:49 土浦真岡線バイパス
~ 35km 2:38:43 0:24:31 土浦つくば線
~ 40km 3:03:22 0:24:39 学園西大通り
~ ゴール 3:13:30 0:10:08 筑波大学陸上競技場