2009.07.24 富士登山競走 完走記
 5月31日の名栗U字連山のトレイルレース28km、6月21日の乗鞍天空マラソンのロード23キロ、いずれも、富士登山競走へ通じる道であった。 3年前に、4時間13分33秒で完走しているが、その時はサブスリーを達成した年。 今の走力からして、4時間30分の完走が絶対的な目標とした。 3年前の主な通過地点のタイムを秒単位で暗記し、目安とすることにした。


 前日、午後9時新宿発の特急あずさで出発。 宿に着いたのは、午後11時半頃。 当然、相部屋のみんなは寝ていたので、そろり足で部屋の中に入り、就寝。  やはり、相部屋は苦手。 なかなか寝付けず、夜中じゅう、眠ったり起きたりの繰り返しで、あっという間に4時前。 部屋の誰かが、ごそっと起きた瞬間から、もう眠ることはできない。  大会用に無料の巡回バスがあって、午前5時10分にはバスに乗り会場の富士吉田市役所へ。 

 最大の関心ごとは昨夜からの雨。 雨が降って走りにくいというのは構わないが、山頂まで行かせてもらえるか? 天気図は、富士山付近に前線がかかり最悪であった。 昨夜の雨音も激しかったし、客観的に見て、よくて5合目まで、悪ければ、馬返し折り返しまで、または全面中止もあり得るかと思った。
 会場に着けばわかるかとも思ったが、午前6時30分に決定するとのこと。 6時ごろから雨足も弱まり、少し期待をした。 しかし、警報・注意報が出ているとの声も聞いて、やっぱりダメかなとも思った。

 スタート時刻は、午前7時。 受付、荷物預けをして、トイレに並んでいる間。予定より10分早く、「5合目で打ち切り」のアナウンスがあった。 やっぱり、と思ったが、実際現実となると、力が抜けた。 山頂までいけないのなら、富士登山競走にならない。 この時点で、実質、2009年の富士登山競走は終わった。


 皮肉なことに、それから天気は回復し、スタート時には晴れてきた。 以降、雨はぱらつくこともあったかもしれないが、ほぼ曇りの、走るにしては、暑くもなく風もなく、絶好のコンディションであった。 打ち切り決定時の山頂は風速15mというから、かなり厳しかったのかと思うが、結果的にはどうだったのか疑問が残る。 山頂までを前提として、場合によっては、五合目あるいは八合目での打ち切りはありうるということでスタートさせてもらえば、その後の天気の回復を考えれば問題なかったのではと思う。 しかし、後で知ったが、19日から富士山で行方不明者が出て捜索中であったこと(その後、お気の毒に亡くならせた姿で発見)が、万一事故でもあったら、という判断になったのだと思う。

 とにかく言ってもしょうがないので気持ちを切り替え、五合目までなら、1時間50分切りあたりが目標と思い、最初から飛ばしていこうと思った。 スタート地点でチャコさん、なべさん夫妻に会う。 チャコさんは初の山頂コース、なべさんは五合目コースということだ。 

 スタートロスは38秒。 2年以内に山頂まで完走した人は白ゼッケンで、優先的に前のブロックに並べる。 私は、3年前完走で、色ゼッケンなので、後ろのブロックから出走である。 位置取りも練習と思って、3年前よりはいい位置でのスタートである。 スタートラインまで38秒(3年前比 貯金28秒) 標高770m

 走り始めて、自分なりに積極的に行く。 ええい、こうなったら、ヤケ走りだ! って感じで。 初めは舗装道路。 富士吉田市内から坂は始まる。 3年ま、市内では、スタート位置の悪さを取り戻すことだけを考えて、市内に坂があった記憶がなかった。 こんな坂だったんかな、と思う。 途中、M島さんに追いつき、「残念でしたね」と話す。 やや、きつさを感じ、しばし、M島さんと並走し、ペースを落とした。
 浅間神社の脇から森林帯へ。 若干ではあるが、ずっと追い越しモード。 前を行く脚の長い外国人ランナーが気になる。 いいなあ、こんなに長ければ山登り楽勝だよなと。
 最初のチェックポイントは、中の茶屋の給水所。 いくらなんでも、3年まよりは速いだろう。 それが、1分か2分か、楽しみであった。 ところがである。 なかなか給水所が現れず、おかしいな、おかしいな、と思う。 そして、チェックポイントのタイムは、38分33秒(3年前比 貯金3秒)。 貯金はスタート位置に違いで、実質タイムが落ちているのはショックだった。 何しろ、今日は五合目ゴールということで飛ばしているのにである。 

 そこから馬返しまでの道は、車道を離れて、コンクリートの山道。 トレイルではないし、ランナーを抜いていくことも支障がないが、、路面はでこぼこしてくるので、そこまでよりは走りにくい。 中の茶屋までの走りも遅かったのに、路面が悪くなった途端に一転抜かれ始め、こりゃ、何だろう?と思ってしまった。 次第に路面に慣れて、馬返し直前の急坂ではやや挽回し、それ以降、基本、追い越しモードとなったが、馬返しのチェックポイントは、1時間03分59秒(3年前比 借金11秒)

 馬返しから3合目までにトレイルは、雨水対策なのか道の真ん中にくぼみをつけているところが続く。 通常ランナーは、アップダウンを避け、このくぼみをよけて左か右を行くののだが、ここは一人分の道なので、つっかえることになる。 3年前は、このくぼみの中央を突破してどんどん進んだ記憶があるが、今日は、素直に流れに乗って、くぼみの右か左を歩いた。 これが結果的に3合目まで、1分のロスを招いた。 三合目の給水所は。1時間27分24秒(3年前比 借金1分28秒)

 このままでは、は2時間を超える! その結果は、来年山頂を目指す時のの自信のなさにつながってしまう。 残り30分じゃないか。 マラソンやハーフマラソンなら、最後の全力でいくところだよな。 と思ったら、全然力をだしていない自分に気がついた。 それで、わざと呼吸を荒げて、少しでもすきがあれば走るとこにして、最低でも2時間は切ろうということにした。 そうしたら、急に脚が軽くなる感覚がした。 ようやく目覚めた感じだ。 時刻は8時30分、活動開始の時が来た。
 偶然、ホッケさんと遭遇、えっ、何でこんなところににいるの?と思ったが、体調が朝から悪かったらしい。 ホッケさんに2時間切るぞ宣言をして、自分に気合いを入れた。
 五合目までの道は、山道と言っても、まだ、ある程度幅がある。 右に左へのカーブで、抜くことができた。 一度だけ、インコーナーに切れ込んですべってころび、膝にかすり傷を負った。 少しでも緩い路面は走る、急斜面は無理せず歩く、というリズムも出てきた。 
 五合目直前に、一旦、アスファルト道に出る。 自分はロードが得意と思っているので、通常トレイルレースでは、ここはごそっと追い越すチャンスなのだが、今日は、トレイルの動きに身体が慣れきっていたようで、思うように動けず、流れに乗ることしかできなかった。 でも、あとから思うと、ここでは、無理に身体を動かして、ダッシュをかけるべきだったのだ。
 もしかしたら、3年前の自分に勝てるかもしれないと思ったが、ゴール前の階段道が狭く渋滞し、最後はダッシュつもりが空しく時間が過ぎた。おいおい、そこにゴールが見えているんだから、走ってくれよ、と正直思った。 結果、五合目ゴールは、1時間58分44秒(3年前比 借金1分09秒) 標高2250mとなった。 

 ゴール後、覚えていたはずの3年前の五合目通過タイムの秒のところが思い出せず、荷物を取りに行って、メモを見て、9秒足らなかったとを知り、がっかりした。 ちなみに正式タイムは、翌日にはネットで公開されていた。

 コースが半分になったのに、通過タイムが遅くなった、というまずい事態。 明らかな走力低下が証明されてしまった。 もし、今日、山頂までいけたら、おそらく完走ぎりぎりの壮絶な戦いになったのだろうか。 しかし、一方、トレイル区間で順位を上げているので、それ程心配しなくてもいいかもしれない。 トライできなくて重ね重ね残念だが、また、来年行くぞーという気でいる。

3年前とのラップ比較

距離

2006年

2009年

差累計

〜 スタートライン

0:01:06

0:00:38

-0:00:28

-0:00:28

〜 中の茶屋(給水所)

0:37:36

0:38:01

0:00:25

-0:00:03

〜 馬返し(給水所・関門)

0:25:06

0:25:20

0:00:14

0:00:11

〜 3合目(給水所)

0:22:08

0:23:25

0:01:17

0:01:28

〜 5合目(給水所・関門)

0:32:39

0:31:20

-0:01:19

0:00:09


 ゴール後、けんじさん、M島さん、いっちゃんらと無事を確認し、五合目コースのゴールを見て、チャコさんご夫妻とご一緒に、迎えの大会専用バスで下山した。 このバスに乗るのに、1時間待ちの列ができていたのは、仕方がないと言え驚いた。


 次の主要大会は、8月30日の北海道マラソン。 12月までに、2006年以降の4年連続サブスリーが最大の目標になる。 12月の青島太平洋が最後の賭けになるか。 その前に島田、大田原がある。 どうなるか、自分でも楽しみである。
距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:38 - 富士吉田市役所
〜 中の茶屋(給水所) 0:38:39 0:38:01 舗装道路
〜 馬返し(給水所・関門) 1:03:59 0:25:20 コンクリ道
〜 3合目(給水所) 1:27:24 0:23:25 森林の中の山道
〜 5合目(ゴール) 1:58:44 0:31:20 森林の中の山道

レース一覧へ        ホームへ