2009.11.23 大田原マラソン 完走記

大田原マラソンのいいところ
1 スタート時間が10時40分と遅め
 我が家(練馬)からだと、つくばマラソンのためには5時に起きなくてはならないが、大田原は、毎日の目覚まし時計が鳴る時間=6時10分で間に合う。 新幹線が使えるからだ。 したがって、睡眠不足の心配がない。
2 4時間制限のため参加者が少ない
 3000人規模。 マンモス大会だと、受付、トイレと荷物預けの行列と、スタートの位置の確保のタイムングに神経をすり減らすのだが、そういう負担がほとんどない。
3 準備は体育館
 準備に体育館が使え、しかも、青梅マラソンのように足の踏み場がないということがない。 トイレも10〜15分待ち程度。 雨が降っても安心というのが、大きなプラス点。 
4 平坦なコース
 15〜20キロと35〜40キロに登り坂があるが、あとは平坦、気がつかない程度に下り傾向。 風が強いこともあると言う人もいるが、河川敷や海沿いではないので、普通だと思う。
5 公道が走れる
 出場者が少ないため、片面1車線の規制だが、何と言っても全般にわたって公道を走れるのは応援も得られるし気持ちがいい。 それに適度に日陰もあり、日干しになる心配が少ない。
6 公認コース・公認レース
 コースはもちろん、レースも陸連公認である。 会場には公認記録証の受付コーナーもある。 あんまり関係ない人のほうが多いが、女子が「国際資格」と取るために狙う人は多いようだ。 公認コースなので、距離が短い心配はないし、ランナーズ誌の年間ランキングの対象になる。
7 コースは2周回
 同じところを2回まわるなんて嫌という気持ちは分かるが、記録を狙うなら、今登っている坂がどの程度で終わるのか、この先、左に曲がるのか、右なのか、ということが、2周目はある程度知った上で走れるのはいいことだ。
8 給水はチューブ方式
 ゼネラルはスポーツドリンクと水があり、前者は紙コップではなくチュ−ブ式容器で、飲みやすく、量も十分ある。 自分は、軽い視力障害のためうまく見つける自信がなくて利用しないが、スペシャルドリンクを全出場者が、10、20、25、30、35、40キロの各地点に置ける。 これは大きいと思うランナーは多いだろう。
9 スポンジ
 7箇所にスポンジがある。 季節はずれの暑さになっても、スポンジがあれば対応しやすいいし、そうでなくても顔を拭いたりしてリフレッシュできる。

以上、いいことずくめの大田原マラソン。 唯一欠点が、距離表示が、5キロごと、ラスト5キロののみ残り1キロごとであるとこだ。 全コースにわたり、1キロごとの表示を設置してもらえたら、100点満点の大会となる。

 このところ、制限時間を緩和する大会が増えている。 ランナーの裾野を広げるということで大いに結構だし、北海道マラソンのようなすばらしいコースでは、サブフォーだけが独占するんじゃ悪い気もするので、今年の4から5時間への延長は、仕方がないかなと思う。 (でも、5時間でとめて欲しい。 東京マラソンのように、普段、地道に練習しているランナーが走れなくなるから)
 しかし、いろいろな大会があっていい。 防府マラソンが3時間から4時間に延長になって本当にがっかりした。 出走して完走することを目標とする大会であって欲しかったのだ。 大田原も、だから、4時間制限を絶対に守って欲しい。 マンモス化は、つくばと河口湖の任せればいい。まあ、周回遅れが出ると困るから、今のコースではその心配はないと思うけど。

 


 さて、本日のレースの話。 アップ時にさあっと流しを入れるのはいつものこと。 これで、今日の結果が予想できる。 うん、 3週間前の島田の時よりいいぞ、でも、サブスリー宣言するほどでもない。 予想タイム、3時間05分 とした。

 天候は晴れ、気温は12度とアナウンスしていた。 風は普通。 文句つけられないコンディソンだ。

 並び位置は、前から10〜15列くらい、丁度いい位置だ。 サブスリーのペースランナーに、ハーフの通過予想時間を聞いた。「1時間28分くらいかな」という答え。 速過ぎる、絶対付いていかない、と決めた。 「でも、機械じゃないからね。」というペースランナーさんの明るい声に、周囲が和んだ。

 スタ^トライン通過、4秒

 最初、美原公園陸上競技場のトラックを1周半する。 7年前は土のトラックだったが、全天候型になっていた。 島田マラソンで突っ込み過ぎた反省から、最初はゆっくり行く。 一番内側の最短距離を前のランナーについて走る。 400mが1分50秒。 遅いなあ、と思いつつ、競技場を出てから、少しずつペースを上げる。

 2〜3キロあたりで、気が付いたら、前にホッケさんが走っていた。 いやー 偶然、嬉しかったな。 挨拶をかわし、Mattsat2さんすごいね、なんて話しをする。 まだ、余裕。 やがて、ホッケさんの時計が鳴って「キロ4分18秒」と言ってくれた。 おっ、GPS機能付きなのか? でも、アバウトじゃないの? とちょっと疑ったりしたら、ほんと、5キロ通過は、ぴったり、そのペースだった。 すぐれものだ。

 5キロ通過、21分31秒(ラッ21分27秒)

 「リラックスして行きましょう」というホッケさんの言葉にそのとおりだと思う。 ハーフまではウォーミングアップのつもりで行こう。

 10キロ通過、42分45秒(ラッ21分14秒)

 おやっ、ペースが上がった。 無理していないのに。 この時点で、サブスリー挑戦の誘惑が始まった。 このままペースキープで乗っていくか? それとも少し落とすか? 心の中で、2人の自分がいた。 しばらく冷静な自分が勝ってホッケさんを先に行かせたが、せっかくホッケさんがいいペースを作っているのにもったいないじゃないか、今日は絶好のチャンスかもしれないと、戦闘的な自分の内の声で、再びホッケさんの背中に付いて、15キロ地点を迎える。

 15キロ通過、1時間04分13秒(ラッ21分28秒)

 ペースが落ちた。 後から考えると、高低差の関係で当然なのだが、大田原のコースは坂を自覚しにくいコース。 少なくともイーブンで来ている感覚なのに。 ここで、落ちる兆候が現れるようだとまずい。 立て直すなら今のうち。 どうしよう?? と、頭が混乱しているうちに、いつの間にか、ホッケさんが先に行って見えなくなった。 他のランナーにも、ごそっと抜かれた。 脚にいくべき血が頭に行っちゃったのかもしれない。

 15〜20キロは、結構な上り坂だった。 7年前は絶好調だったんで、この坂は、たいしたことがないと思ったのに、そうでもない。 明らかにペースが落ちてる。

  20キロ通過、1時間26分28秒(ラッ22分15秒)

 やっぱり。 でも、キロ4分半以内は、維持していこうと思う。 数字は落ちたが、まだまだハーフラインをスタートラインと思ってハーフレースをやる気持ちはあった。

 このあたりで、すごいピッチ走法の小柄な女性ランナーに抜かれたり抜いたりとなる。 自分の2倍もあるようなすごいピッチ。 このピッチでいったらすごく速く走れるかも、と真似てみたくなる。 いけない。 いけない。 マイペース。 マイペース。

  ハーフ通過、1時間31分09秒

  さあ、ここからスタートのつもりで行こう。 さっきの女性ランナーは自然に後ろの下がっていき、足音が聞こえなくなった。

 いつの間にか2周目にコースに杯っている。 こんなに走って来たのに、一歩も進んでいない、といマジカルな感じ。

  25キロ通過、1時間45分21秒(ラッ21分44秒)

 21分台に回復。 まずは安心。 いいぞ、この調子で行こう。 実は、この区間、若干下り坂だったのだが。

  30キロ通過、2時間10分05秒(ラッ21分53秒)

 30キロからが、おいらの出番だい。 ここからゴールまで100人抜くぞ、と決めた。 距離表示が5キロごとの大会では、よくやる手段。 前を追って走っている分には、大撃沈はない。

 この先、5キロ22分、22分で、残り2.195キロを9分30秒。 これで、今年自己ベストの北海道マラソンの3時間03分39秒を更新できる。 目標ができた。 ただ、35キロイからの坂を考慮すると、35キロまでは、21分台でクリアしたい。

 まわりは、一様に失速していて、どんどん抜ける。 脚の筋力が残っているのを感じて、やっぱ、マラソンは筋力だ、筋力だ、と、結構、うまく走れている自分に酔う。 35キロまでは、ひとりも抜かれず、60人抜き。

  35キロ通過、2時間32分07秒(ラッ22分02秒)

 あれえ、22分超か。 結構、いい感じだったのにタイムは落ちてる。 しかも、そろそろ脚に来ていて、この先5キロを、今までの5キロより速く走れるとは思えない。 しかも、上り坂はこれからだ。 ここで、今年自己ベストという目標を失い、心がさまよう。

 こうなるとうまくいかない。 失速をしないよう、とにかく、前を見て、一度決めた、ゴールまで100人抜きは達成しようと思う。 そうすれば、3時間05分は切れるだろう。

 しかし、その見通しは間違えていた。 このあたりのランナーは、おそらくほとんど、前半はサブスリー狙いで来ていると思われる。 サブスリーが不可能となって、心が折れ、もうどぼどぼ走っているランナーが多いのだ。 歩いているランナーさえいる。 むしろ、3時間15分前後のランナーのほうが終盤元気があるように感じるのは、気のせいだろうか。

 しかし、中に1人、抜いたら、抜き返してくる男性ランナーがいた。 失速レースの中でも、プライドがあるのかもしれない。 あるいは、抜いて行くランナーに力を借りようということか。 そういう意気のあるランナーは、何もしゃべらなくても、心が通う気がする。 それなら、こっちも絶対負けませんよ、という気持ちになってがんばれる。 そのランナーとは、2キロほど、出たり入ったりして、最後は振り切れた。

 40キロまでは、62人抜き、2人抜かれ。 やはり、イーブンを貫くランナーが1人2人はいるものだ。 自分はというと、さっきに気概のあるランナーと違い、あっさり白旗を揚げて先に行ってもらった。

 残り5キロから、残り1キロごとの表示が始まる。 時計は押したが、頭の計算は、出来ない。 疲れている。 明らかにペースは落ちているが、何とか、3時間05分は切れるだろうと思っていた。

  40キロ通過、2時間55分33秒(ラッ23分26秒)

 えっ、55分33秒? 残り、9分27秒で行くというのは、今の状態で不可能。 5分切りを、すぐにあきらめてしまった。 全く根性なしだね。

 ここからは、そう簡単に前を抜けなくなった。 ゴールが見えて、まわりのペースが上がりだしたからだ。 1人元気ランナーに抜かれ、左折する時に、2人のランナーに抜かれた。

 その2人のうちの一人が、千葉ロッテマリンズのシャツを着ていた。 同じ野球ファンの仲間であるが、こっちは埼玉西武ライオンズファンなのだ。 マリンズには負けないぞ、と勝手に思い込むことにした。 相手はそんなことしる由もないから、笑っちゃうよね。

 そのマリンズファンを抜き返し、ゴールは、スタートと同じ陸上競技場。 おかげで、残り1キロは4分23秒でクリアできた。 マリンズに感謝。 結局、40キロからは、12人抜き、2人抜かれ。

  ゴール、3時間05分42秒(ラッ10分09秒)

 ゴール後、ホッケさんと再会。 ホッケさんは見事なイーブンペースで、3時間01分台だった。 今日はホッケさんに完敗。 でも、まだまだ、ライバルって言えたらいいな。 3週間後の、青島太平洋マラソン。 4年連続サブスリーの最終チャンス。 思いっきり後悔のないレースにしたい。

 最後に、準備でご一緒した大江戸飛脚会の皆さん、沿道で声をかけていただいた方々、すばらしい大会を作り上げた大田原の皆さんに感謝申し上げる。

距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:04 美原公園陸上競技場
〜 5km 0:21:31 0:21:27
〜 10km 0:42:45 0:21:14
〜 15km 1:04:13 0:21:28
〜 20km 1:26:28 0:22:15 上り坂あり
〜 中間点 1:31:09
〜 25km 1:45:12 0:21:44
〜 30km 2:10:05 0:21:53
〜 35km 2:32:07 0:22:02
〜 40km 2:55:33 0:23:26 上り坂あり
〜 ゴール 3:05:42 0:10:09 美原公園陸上競技場