2010.12.23 足立フレンドリーマラソン 完走記

  荒川河川敷の新規大会である。ハーフマラソンの完走者数は、3,345人。会場は、北千住駅から徒歩で10〜15分にある、荒川河川敷の虹の広場である。参加案内とともにゼッケンとチップが送られてくる。スタート時間は午前11時と遅いため、起床時間もいつもの休日並みにゆっくりできる。というこtで、ちょっと、のんびりし過ぎたのが失敗の原因その1。

 また、荒川かよ、というのも正直な気持ち。やはり公道を走る大会ほど気合いが入らない。レース直前3日間は走らないという自分のルールを守らず、2日間の休みのみ、当日の朝は、ご飯を食べる、お茶やコーヒーなど利尿効果kのあるものを飲まないというルールも守らず、いつもどおりのパンとコーヒーの朝食。 完全に練習モードになってしまったのが失敗の原因その2である。

 

 いつもなら、会場入りして、荷物を預・トイレを済ませ、絶妙のタイミングで整列することに気を使う。ハーフの距離以下なら、ウォーミング゙アップがしたい。ところが、自宅でのんびりし過ぎてしまい、行きの電車の中で時間がないとあせり出した。会場でトイレに行くひまがないとみて、途中の日暮里駅で用を済ませ、北千住駅から小走りで会場に着いたのが30分前。すぐに荷物を預けて、整列場所へ行ったのが20分前である。なお、荷物預けは、ゼッケン下1ケタで場所が分かれており、スムーズだった。

 後で反省すると、ここまでで。すでに重大なミスをしている。それは給水だ。直前にトイレに行けない、風が冷たい、利尿効果のあるコーヒーを飲んでしまっていた、アップができていない、というのが伏線になって、いつもなら、起床してからレーススタートまで、500mlのスポーツドリンクを飲むことにしているのだが、今日は、一口にとどめた。その分、途中の給水でたっぷり取ろうと決めたのだ。しかし、それでは、やはりまずかったと思う。

 ところで、整列は、その場で自分の予想タイムのプラカードのところに並ぶという方式だが、「70分以内」、「70〜80分」、「80〜90分」・・・という非現実的な分け方で、さばを読んで並ぶのを前提にしていた。真面目な人に不利になるので、これは改善して欲しい。私は、さすがに、「70分以内」とはいえないので、「70〜80」分に並んだのだが、スタート直前には、どんどん前に入って来て閉口した。

 並んでいるとき、すぐ前に「参加者も求むム 駅伝パーティ in 品川」と書かれた黒のTシャツと水色のランスカ女性ランナー(以下パーティさんという)がいた。駅伝パーティって何だろうって気になっってきいてみたいとも思ったが、スタート前なので自重した。あとでネットで調べたら、2011年2月13日に、第1回のランナーによるランナーの駅伝として実施されるよいうことがわかった。今回は定員に達して締め切りになっているが、将来とっとこサブスリークラブで出場してみるのも面白そうだ。

 天気は晴れ。問題は風。北西の季節風が強く吹いていた。行きは追い風、帰りは向かい風だ。前半は、キロ4分で行って後半粘るという構想を立てた。先月末の川越ハーフは1時間24分56秒。今日は、準備不足だし、この風だし、1時間25分台でよしとしようと思った。

 スタートロス 08秒

 前にランナーが沢山いて、思いどおりに進めない。予想タイム「70分以内」に並んでいるとは、いくらなんでもなあ、と思う。まあ、無理せずに行こうと、自然に任せていたのだが1キロ通過は、4分01秒(ネット3分53秒)、おおっ、これって絶好調ではないか!次の1キロも3分53秒、次も3分54分!もう、乗り乗りだ。オーバーペース?というのも頭をよぎったが、後半の向かい風のことを考えたら、これでもいいんだと思った。

 5キロ通過 19分49秒 (ラップ19分41秒)

 5キロごとの給水では、予定通り2杯取って、たっぷり給水、を目指す。しかし、誤算だったのは、5,10キロの給水所は、スポーツドリンクではなく、水。(実はスポーツドリンクもあって見落としたのかもしれないが・・・) しかも、量が少なかった。完全な追い風で、日照があり、顔が火照るような感じ。時折、背中を押されるような追い風さえ感じていた。

 それでも、通過タイムがよかったので、ふふふっ、もしかして自己ベストペース。なんて、思ったりしてしまっていた。そりゃ、いくrんんでもなあ。一応、キロ4分ペースに落ち着かせて走ることにした。4分03秒、05秒,01秒、04秒秒と進行していった。ここまではよかった。が、9キロ過ぎから、相変わらず、追い風なのに、キロ4分15秒にがくっと落ちた。おやっ、どうしたんだろう。

 10キロ通過 40分17秒 (ラップ20分28秒)

 総武線を超えて、もう葛西。海も通機関で行くより、走ったほうがずっと速い。途中、一部、100mもないと思うが、未舗装区間があった。そして、折り返し。

 今後は、向かい風だ。すでに折り返し前から失速が始まっていたので、前途多難である。目標タイム1時間25分台から26分台に落とした。

 このあたりで、スタートしてしばらくして追い抜いてきたパーティさんに抜かれる。かなりの速度差だ。付いていけない。

 しばらくして、また別の女子ランナーに抜かれた。今度は、男性のコーチらしきランナーにエスコートされていた。よく見る光景だが、未公認大会では珍しいかな。そのコーチランナーが、「ピッチを意識して!」と声をかけていた。そうか、ピッチね。自分に言われたわけでもないのに、ここは局面を打開するために、ピッチを意識して走ってみた。なるほど。こんな感じか。落ち放題だったペースが少し持ち直した。しばらく、そのコーチと女性ランナーに付いていくことができた。一旦、キロ4分23分まで落ちたラップも、12〜13キロで、4分11秒まで回復。しかし、ここまでだった。慣れない走り方をすると反動が来るのか、14〜15キロは、4分30秒に転落した。当然、その女性ランナーにもあっという間に水をあけられた。

 15キロ通過 1時間02分10秒 (ラップ21分53秒)

 目標タイムは、1時間26分とか27分とかいうレベルではなく、1時間30分ということになってきた。それなら、残りキロ4分30秒で行けば大丈夫だ。まだ、この時点では、何とかなると思っていた。

 5キロ、10キロの給水は真水だったが、ここは、スポーツドリンクがあってよかった。たっぷり給水して、よーしとなるところだが、逆に給水でスピードを落とした調子に合ってしまい、ずるずる、というか、ふらふらモードとなってしまった。

 15〜16キロで、4分53秒かかり、にわかに、1時間30分切りが、危機状態になってきた。残り5キロ、何とか立て直さないと。

 風向きは、北西季節風に対して、完全にアゲインスト。ゴールまで改善されることは絶対にない。自分が経験した荒川河川敷のレースの記憶としては、あの伝説的な2004年の東京・荒川市民マラソンの突風に次ぐ強さだったと思う。とにかく、一歩一歩、あきらめずに進むだけだ。

 16キロからのラップは、4分33秒、35秒。18キロ・堀切橋付近に土手に登る坂、ここを越えればと踏ん張る。

 19キロの看板はあったのか?残り2キロの看板があった。

 残り2キロ通過 1時間21分14秒

 もう残りキロ4分30秒では間に合わない!

 土手を下る坂で数秒でも稼ぐ。勢いそのままにラスト体勢に入る。と、なんと、前方、50〜100mに、あんなに元気走っていたパーティさん発見。パーティさんには悪いけど、ゴールまでに追いつくぞ、と目標にした。獲物を狙う虎のよう。そう、私は年男、寅年生まれなのだ。トラ年最後のレースで、せめて最後だけは自分らしく全力でいきたい。

 それにしても、もう、いやになっちゃう程、風が吹いていた。まわりも、一様に失速してあきらめのような雰囲気があった気がする。何だか、自分だけが必死こいて走っているように感じた。

 最後の常磐線の鉄橋の下で、パーティさんをとらえて逆転。

 会場の近づいて応援が増える。最後は、右に曲がって、50m位デゴール。この間、時計を意識しまくった。残り1分、30秒、20秒、果たして間にあうか?

 ゴール 1時間29分56秒 (ラップ4分46秒)

 いやー、ぎりぎりだった。でも、よかった。とんでもなく失速したレースであったが、この最後に立てた目標をクリアしたのでゴール後は、満足感があった。

 最後のパーティさんにお礼を言おうと思ったら、ゴール後、男性の仲間の前で泣き顔になっていたので、とても声をかけられなかった。その男性が、「途中、話かけて悪かったな」と言っていたので、おそらく、秒差で逃した1時間30分切りを悔しがっていたのだと思う。まだまだ若いランナーなので、この先いくらでもチャンスがあるだろうに、その真剣さ感動した。

 

 
 最初に書いたように、失敗レースには原因があるものである。直接の原因は、水不足(脱水)ということだが、そこに至るには、いろいろ伏線があった。ハーフなら何とかなるという慢心もあった。これからは、どんなレースでも、ひとつひとつ大切にしなければ、と反省した次第である。


距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:08 - 荒川河川敷・虹の広場
〜 5km 0:19:49 0:19:41 川下へ 追い風
〜 10km 0:40:17 0:20:28 川下へ 追い風
〜 15km 1:02:10 0:21:53 葛西橋前折り返し 川上へ 逆風
〜 20km 1:25:10 0:23:00 川上へ 逆風
〜 ゴール 1:29:56 0:04:46 荒川河川敷・虹の広場

20キロ地点は看板がなかったか見落としたため、
残り2キロとゴールのタイムから按分計算