2010.07.23 富士登山競走 完走記
昨年の富士登山競走は荒天のため、五合目で打ち切り。1年越しの挑戦となる。 今年は、3月のソウルでマラソンのサブスリー(2時間59分34秒)、6月のいわて銀河で100kmマラソンのサウテン(9時間44分58秒)を達成し、市民ランナー三冠まで、残るは「富士登山競走完走」のみとなった.。同じ年のこの3つを達成するのは難しいこと。あくまでも自己満足にすぎないのだけれど、せっかくの機会を逃すまいと決めた。 7月9日に喉の痛をみを感じてから、重症ではないけれど風邪気味の症状あり。体調は万全とは言えなかった。 前日の午後から休暇を取り、現地入り。 宿泊は、ルートインコート富士吉田。受付・スタート会場の富士吉田市役所からは、徒歩40分。前日受付を済ませてから、実際に歩いて、翌日朝の行動ルートをチェックした。
ここまではすべて予定どおり。あとは最終トイレを済ませ、早めに並んで、Bグロック(ゼッケンごとに決められたブロックのうち中間のブロック)のできるだけ先頭に位置を確保すればいい。これができれば、ほぼ完走は約束されたことになるにと思った。 まずは簡易トイレを見つけ並んだ。20分待ちぐらいだろうか。並んでいるうちにちょうどいい時間になるだろう。ここまでスケジュール管理完璧!と思っていたら、異変がおき出した。腹がチクチク痛み出したのだ。これは、トイレに行きたいというより、食当たりをした時のような痛みだ。必死に我慢して、やっと順番が来てトイレに飛び込んだら、何とまあ、下痢だった。 時間は、開会式が始まろうとしたところ。スタート30分前。ここでスタートの整列位置に行って、好位置を確保するはずだった。が、それどころではない市役所の3階のトイレに直行、それが済んだら2階のトイレに直行。情けないありさま。棄権しようかとも思ったが、トライをせず帰るのは嫌だ。走り出せば何とかなるだろう。 スタート10分前に整列場所へ。すでに、Bブロック内でも後方の位置になったが、そのことは重要でなくなっていた。車道と歩道の段差にしゃがみこみ、ただ、ひたすら、もよおして来ないのを願った。早くスター時間が来て欲しい。 2分前に起立。そして号砲! 午前7時 標高770m 富士吉田市役所前。 とんでもない状態でレースは開始された。 スタートラインまでは、歩いて、46秒。 走り出してしまえば、神経の方向性が逆になるので、トイレの心配は少なくなる。走りに集中しよう。効率よく走って、絶対に、4時間30分の制限時間内に完走いようと思った。 基本的には、4年前に4時間13分33秒で完走した時の、主な通過点とタイムを分単位で暗記していた。これは、非常に大きな道しるべになった。 スタート後、最初の15分くらいは市街地だ。4年前は、スタートロスを取り戻そうとあせって歩道を走ったりしたが、今日は、無駄な力は使わない方針で行った。自分は、ロードの登りは強いんだという確信も最近のレースから得ていた。あせる必要はない。少しずつ、少しずつ抜いていけばいい。 市街地では、最高齢完走者を目指すいっちゃんを見つけた。がんばれー (結果、今年は残念だったけど) 浅間神社の横で、第一給水所。しっかり見て、多そうなコップから水とスポーツドリンクを一杯ずつ。以下、この先、ほとんどすべての給水所で水とスポーツドリンクを両方取った。水の重要性は、先月のいわて100kmレースでも身を持って感じた。4年前、八合目以上で最後失速したのは、高山のせいではなく、水不足だったのではないかとも思っていた。特に、今日は下痢をしていたのだから、なおさら水は大切だ。 ロード区間は、予想どおり、さほど無理せず自然に走っていても、少しずつ順位を上げていけた。得意なロード区間のアドバンテージ。4年前は無理に取りにいく感じだったが、今日は自然に取れている。今年から山頂コースの参加資格が前年以前3年間で五合目2時間30分で完走していることが条件となった。だから、中位を確保できれば、時間内完走はできると読んでいた。いい感じだ。 最初のチェックポイント中の茶屋、40分00秒で、4年前比、1分18秒遅れ。もとより今日の状態で、4年前の自分と競走するつもりはないので、ちょうどいい。ここから、アスファルトからコンクリの簡易舗装になるが、相変わらず若干の追い越しモード。4年前は馬返し直前ではかなり苦しい走りになったが、今日は若干余裕を残してロード区間終了。残りのり距離を頭に入れながらの走りができた。 馬返しし、1時間05分31秒 標高1450m。 4年前比、1分43秒遅れ。OK、OK、想定どおり。ここまで、このタイムで来れれば、客観的に見て、80%は時間内完走が約束されたと言えるだろう。 馬返しからは、トレイルになるが、五合目までは、道幅も広く、順位を上げることがしやすい。歩きを決め込んでいるランナーを横目に、走れるところは走った。道の中央にできていたくぼみは、ところどころ土が入れられて走やすなっていた。マラソンシューズの自分としては、この区間は、さほど砂がなく滑らないのがありがたい。 三合目の給水所は。1時間29分00秒。 4年前比3分04秒遅れ。途中で、隣にいた初参加のランナーが、「関門大丈夫かな、頂上までは無理かな」みたいなことをつぶやいていた。「この流れに乗っていけば、絶対大丈ですよ」と教えてあげた。 このあたりでみらくるさんに遭遇。「やあ、久し振り」という感じで挨拶をかわす。「目標は完走」「同じですね」と話したのに、その後、みらくるさんは、どんどん行ってしまって、結果は、4時間01分台のゴール。この位置からの挽回は驚異的である。しかもマラソンシューズで!ロードでは、絶対に負けないくらいの自信があるのだが、富士登山競走はやっぱり別物だ。 五合目は、2時間03分20秒 標高2250m。 4年前比4分45秒遅れ。速すぎず遅すぎずのペースに、完走はもらったと思った。 六合目、2時間17分13秒。 4年前比6分06秒遅れ。ここで、沿道からなべさんの声援を受ける。奥様であるチャコさんの応援にみえていたのだ。 ここからは、森林地帯を脱し、視界が開ける。日差しがきつくなるとこおrだが、運よく、この区間だけ、雲が出てきた。少しひんやりするぐらいだ。六合目から七合目の区間は、砂地で進みにくいが、傾斜緩いところでは、わずかに走りを入れた。そうしないと、脚が短い自分としては、歩いているうちに流れから遅れがちになるからだ。 このあたりで、ひときは元気なカズUさんに抜かれた。本来なら勝負するはずだったが、カズUさんの動きを見た瞬間、これはかなわないと思った。 七合目花小屋には、2時間40分25秒 標高2700m。 4年前比7分22秒遅れ。 ここからは、岩場になり、やや渋滞状況になってくる。マラソンシューズの自分としては、砂地よりは進みやすいので、速く行ってくれという気持ちになってくる。制限時間ぎりぎりのランナーは、こんな感じで時間オーバーしていくんだなと思う。でも、この位置なら、大丈夫。あせらず、流れに乗っていけば完走できるのだ。 八合目太子館には、3時間03分08秒、標高3050m。 4年前比7分46秒遅れ。 太子館の次の山小屋、蓬莱館から上は、岩場ではなくなり、再び、砂地の道になる。こうなると、やはり滑る。走りを入れるのは山小屋の前だけで、オール歩きとなっている。前を行くトレイルシューズのランナーを見ると、いいなあ、と思うが、これは選択の問題。トレイルシューズで、ロード区間のアドバンテージを取る自信はない。どちらが重要かと言えば、もちろん、得意なロードで完走ラインの位置を確保することだ。 本八合目、富士山ホテル前に関門があったと思うが、どのラインか気がつかなかった。 結果発表で確認して、通過時間は、3時間33分42秒 標高3360m。 4年前比7分23秒遅れ。この区間で、初めて4年前のラップを上回った。4年前は、かなりばてばてだったのだ。高山に弱い体質かと思っていたが、そうでもないようだ。少し頭が痛い気がするが、大丈夫だ。序盤から水分を多く取ったことと、全体を考えたペースメークがよかったと思う。4年前は、スタート前にバッハリンを服用する作戦だったが、これがいけなかったのかもしれない。 八合五尺、3時間50分47秒。 4年前比7分25秒遅れ。脚が短いので歩くのは苦手だが、この流れに乗っていけば、必ず時間内完走できる、とわかっていたので、がまん、がまん。休まず、止まらず、あせらずだ。 九合目 4時間03分26秒。 4年前比6分53秒遅れ。4年前の経験から、九合目からは20分で登れるはず。しかも4年前は、最後、ふらふらだったのだから。今のペースで行けば大丈夫だ、と完走を確信した。 結局、がまん、がまん、を続けて、最後の鳥居をくぐってから、ランナー魂でペースを上げて、最後は少し走って、ゴール 4時間19分11秒。 標高3720m。4年前比5分38秒遅れ。4年前の自分に対しては、最後、猛追して差を縮めたことになる。 ゴールル後は、しばらく、他のランナーのゴールシーンを見ていた。雄たけびを発する人、泣き出す人、誰かに抱きつく人、思わず、こちらまでもらい泣きしそうなほどの感動シーンだった。やはり、富士登山競走はいいもんだ。富士登山競走、万歳!
全体としては、与えられた状況下で、上手に走れたと思う。目標の完走を果たし、大満足であった。 |
距離 | 通過タイム | ラップ | コース |
〜 スタートライン | 0:00:46 | - | 富士吉田市役所 |
〜 中の茶屋(給水所) | 0:40:00 | 0:39:14 | 舗装道路 |
〜 馬返し(給水所・関門) | 1:05:31 | 0:25:31 | コンクリ道 |
〜 三合目(給水所) | 1:29:00 | 0:23:29 | 森林の中の山道 |
〜 五合目(給水所・関門) | 2:03:20 | 0:34:20 | 森林の中の山道 |
〜 六合目(給水所) | 2:17:13 | 0:13:53 | 低木の中の山道 |
〜 七合目(花小屋) | 2:40:25 | 0:23:12 | つづら折の砂道 |
〜 八合目(太子館) | 3:10:54 | 0:30:29 | 岩場 |
〜 本八合目(富士山ホテル・関門) | 3:42:05 | 0:31:11 | つづら折の砂道 |
〜 八合五尺(御来光館) | 3:50:47 | 0:08:42 | つづら折の砂道 |
〜 九合目(鳥居) | 4:03:26 | 0:12:39 | つづら折の砂道 |
〜 ゴール(山頂) | 4:19:11 | 0:15:45 | つづら折の砂道 |