2010.12.05 奈良マラソン 完走記

 奈良に大型都市型マラソン、というニュースを、紅白さんの掲示板の書き込みで知って、即、出場を決めた。とっても楽しみにしていた大会である。

 受付は前日のみ。会場は、スタート・ゴールの鴻ノ池陸上競技場。近鉄奈良駅から、歩いて20〜30分である。フルマラソンのエントリー数は、10,997人、その他10キロ、5キロ、3キロジョギングを合わせると18,941人のビッグマラソンだ。さすがににぎやかだった。ゲストは、Qちゃんこと、高橋尚子さん。

 今回の私の目標タイムは、3時間05分切り。10月の柏崎マラソンが、3時間08分50秒。来年2月の別府大分毎日マラソンでサブスリーを目指すとして、その間のタイムを取りたいと思った。1週間前の小江戸川越ハーfで1時間24分57秒をマークしたので、この目標タイムはできるはずというものだと思っていた。

 

 当日は、早めの行動。スタート時間9時に対し、更衣室・荷物預け場所になっている体育館には7時30分には到着した。紅白さんと落ち合い、早速、荷物預け、トイレを済ませ、8時10分には整列場所に行った。

 整列は、申し込み時の申告タイムによるブロック順。記憶では、自己ベスト=2時間56分46秒より1秒速いタイムを予想タイムで申告したと思うが、2番目の位置であるAブロックに並ぶことができた。ちなみにその前のSグロックは、数十人しかいないので、一番前のブロックといってもいいだろう。

 とっとこ仲間の掲示板でご一緒している、ホッケさん、Mattさんも早めにいらしていて、紅白さんと私を加えた4人衆揃い踏みとなった。おかげで待ち時間50分間は退屈しないで過ごせた。ゲストのQちゃんの話も面白かった。今日はコース上であちらこちらに出没し、ハイタッチをしますよと話していた。とてもサービス精神旺盛なゲストで、とっても好感を持った。

 しかし、やはり50分間は長かった。奈良は、盆地ということで、朝晩は冷える。後で調べたら、奈良市の当日8時現在の気温は、3.3度、9時現在は6.0度。天気は快晴で風も弱かったが、ランシャツ・ランパン姿では長かった。ホッケさんのようにビニールをかぶっているのが正解だったかもしれない。待ち時間の間、次第に足先が冷えて凍っていく感じになり、ウタート前10分からは、全身に寒さを感じ初めてしまった。


 スタートロス 03秒

 ホッケさん、紅白さんは、勢いよく飛び出して行った。Mattさんも安定した走り。一瞬,Mattさんに付くか、とも思ったが、冷静に判断してマイペースで行くことに。完全に追い抜かれモードになった。競技場を離れると、下り坂に。ここを最後の最後に登って帰るんだな、と思うと、気持ちよく下るという気にはならない。

 まずは、注目の1キロポイント。足先が冷えて速度の感覚がわからない。ここで、タイムをチェックすることで、今日の調子がわかるというものだ。果たしていかに・・・ドキドキする瞬間である。

 見落とさないようにと、道路の端を注視した。あったあ。「1km」! 時計を見る。 4分13秒(ネット4分10秒)! いいぞー。 下り坂であることを考慮しても上々だ。これはサブスリー?!とちょっと頭によぎった。

 少し坂を登ると、大宮通という片側複数斜線の奈良の中心道路に出る。わあっーって感じ。普段、普段はびゅんびゅん通っている車を追い出しで、ランナー天国!まさに、市民ランナーの醍醐味だ。奈良市民のみなさん、ありがとう。

 とまあ、気分よく走っていたので、距離表示を見落としたみたい。時計が9分近くになっていた。と思った瞬間、2キロ看板が目に飛び込んで来た。えっ、うっそー。2キロ通過9分02秒。ペースに乗った感のあるこの走りで、キロ4分30秒を超えているとは?!?! つまり、今日は絶不調なのだ! 

 2キロの距離表示が違っているのでは、というわずかな期待もあったが、3キロ通過は、13分30秒(キロ4分28秒) 大宮通に出てからは、下り坂基調なのにだ。しかも、この1キロは、意識してしっかり走ったのに!

 目標サブスリーどころか、この調子だと、3時間10分も厳しい。 ペースを上げなくてはという気持ちと、落ち着け、落ち着け、マイペースという気持ちの間で揺らぐ。

 5キロ通過 22分36秒 (ラップ22分33秒)

 最初の5キロは、下り基調なので、タイムがよ過ぎても慌てない。というのが、レース前の想定。実際は、そんな心配、お話にならなかった。途中あったはずの観光名所、朱雀門も全く目に入らなかった。

 二条大路南五丁目手前を折り返し。今度は、逆方向、東へ東大寺方面に向かう。道は上り坂基調だ。上り坂といっても、これ以上ペースを落とすと、3時間10分が厳しくなり、目標を失うと気持ごと、奈落の底に落とされそう。かといって、無理に挽回してもオーバーペースとなる。余力、余力、と感じながら、ペースペースと心で言って走った。とにかく、この足の氷感が解けてくれば、もうちょっとよく走るだろう、ということを期待した。

 東大寺の手前は、坂が一段と厳しくなった。当然、ペースは落ちている。9キロの看板で時計を見たら「43分19秒」で愕然となったが、これは、距離表示間違い。あるいは、単に「9kmのトイレ」の表示だった。

 10キロ通過 44分35秒 (ラップ21分59秒)

 何とか、登り基調だったが、前半の5キロより速くなった。しかし、来るべきアップアウンのことを考えると、楽観できない。

 道は、南に向きを変え、国道169号線(天理街道)、片道1車線を走る。この10から15キロの区間が一番平坦に見えた区間だった。が、実は復路でわかったのだが、ゆっくり下っていたのである。

 15キロ通過 1時間06分12秒 (ラップ21分37秒)

 下りということで、ラップは上がった。ようやく、足の冷えが解けてきて、普通に走れるようになった。さあ、これから、最大の難所だ。

 17キロあたりから、来たぞ来たぞという感じになり、18から19キロは、キロ4分48秒の峠越え。減速せず走り切ることは考えられない坂だ。天理大学の運動場内に入り、最高点。行きはよいよい・・・であるが、すでに脚を使った感じで、帰りが怖い。

 20キロ通過 1時間28分55秒 (ラップ22分43秒)

 中間点 1時間33分48秒

 脚の消耗具合からして、後半を前半より速く走るのは無理とみた。当初の目標3時間05分は、断念。新たな目標として、10月の柏崎マラソンの3時間08分50秒を立てた。キロ4分30秒ペースを基準に、2分ほど詰める。そのためには、30キロまでに、もうちょっと貯金が欲しいかな。

 19キロ地点あたりから、全身、何かのキャラクターに身をくるんだランナーが前後していて、気になった。前後というのは、一人のランナーなのだが、沿道の声援や、リクエストに応えて一緒に写真を撮るために、時には、逆走していたりするので、そのたびに後ろに下がるのだ。しかし、撮影が終わると、また、ぱあっーと走って前に現れるのだ。きっと、本気で走ったら、2時間40〜50分の実力者ランナーなのだろう。それにしても、あのキャラクターは何だろう、と考えていたら、沿道の子供から、「バズだー!」といはしゃぎ声が聞こえた。そうだ、トイストーりーのバズだ!自分もあの映画を見に行ったのであった。

 バズさんのような仮装は、沿道の観衆には結構受ける。大会を盛り上げてくれて、ありがたい。しかし、一方、キロごとの秒差を気にしながら走っていう身としては、何だか、真面目に走っているのが馬鹿らしく感じてしまう。いけない、いけない、マイペース、マイペース!気にしないようにする、というために、ちょっと心のエネルギーを使った。

 25キロ手前で折り返して、今度は、来た道を帰る。ここは、天理教総本山の敷地だ。初めて見て驚いた。どこか別世界のような、独特な雰囲気がある。この天理教敷地内も、応援は多かった。

 25キロ通過 1時間51分38秒 (ラップ22分43秒)

 天理教の敷地を出てしばらくして、いつの間にか、バズさんは見えなくなった。前に行ったのか後ろに行ったかはわからない。さあ、ここからさっきの峠を逆方向に登る。いよいよ、最大の山場だ。

 さすがに、往路より復路のほうがきつい。傾斜が一番あるところでは、明らかに歩いているようなペースまで落ちた。27〜28キロが最大で5分03秒。

 これが最後の登り坂と、気を奮い立たせて、懸命に登る。そして最高点。

 30キロ通過 2時間14分54秒 (ラップ23分16秒)

 ここのタイムを見て、再び愕然とした。ここまでにキロ4分30秒ペースに対して2分の貯金を作る予定っだったが、逆に、貯金をすべてはたいてしまったのだ。しかも、この坂で、完全に脚に来ていて、これ以上の逆襲は無理と感じた。いつもなら、30キロからが自分のマラソン!ということろだが、今日は無理だ。

 それでも、諦めるのはまだ早い、と、続く下り坂は、緩まずに行った。ここ以外に貯金を作るところはない。最終盤で失速を招くかもいれないが、ここは、いちかばちか行くしかない。30キロからは、キロ4分18秒、20秒、19秒、20秒、12秒。もう止まったら終わりだ。行くしかない。

 35キロ通過 2時間36分23秒 (ラップ21分29秒)

 さっきから、一人のランナーが、ずっと付いてくるのが足音でわかった。なら、引っ張ってあげましょう。絶対に緩まない。しかし、このあたりから、だらだらと登り坂になっていた。往路では気が付かなかったが、これは、嫌になった。本当に奈良マラソンのコースは、登っているか、下っているかのどちらかばかりで、平らのことろがほとんどない。ある程度覚悟していたとはいえ、標高図以上に厳しいコースだと思った。

 35キロからは、4分28秒、52秒(これは表示がおかしい)、19秒、29秒、16秒。

 東大寺前からは、往路と違い、大宮通り行かず、そのまま、北上する。38〜40キロにかけて、眼鏡のランナーとデッドヒート状態になった。さっきから後ろに付けて来たランナーと同一人物かはわからない。39キロ地点で、少し水をあけられかけたが、くそーっと思って、40キロ地点で追いつく。

40キロ手前 東大寺前 (ゴール後撮影)


 40キロ通過 2時間58分47秒 (ラップ22分24秒)

 残り1キロロ地点、3時間03分53秒。目標の柏崎マラソンのタイムを上回るには、あと、4分56秒だ。平らなことろなら、何とかなるが、ここから、最後の最後の鬼門、スタート直後に一気に下った坂を、今度は逆に登る。

 奈良まで交通費をかけてやって来たのだから、せめて、「今季ベスト」というものは持ち帰りたい。ここで、緩んで逃したら後悔するぞ、と思い、最後の坂は、すごい顔をいて登っていたと思う。

 ゴールは、鴻ノ池陸上競技場。例によって、最後まで力を抜かず行った。

 ゴール 3時間08分24秒 (ラップ9分37秒)

 

 何とか、シーズンベスト。当初の目標は達成できなかったが、30キロ地点の感覚からすると、よく走りきれたなと思う。まずまず、満足した気持ちになれた。

 この難コースで、サウスリーを達成あれた、ホッケさん、Mattさんは、正真正銘のサブスリーランナーだと思う。

 ゴール後は、紅白さんと合流して、会場で食事を取り、せっかくだから、歩いて東大寺まで行って、大仏を見て帰った。高校の卒業旅行以来の奈良、今後は、もっと、ゆっくりしたいなと思った。

距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:03 - 鴻ノ池陸上競技場横
〜 5km 0:22:36 0:22:33 大宮通
〜 10km 0:44:35 0:21:59 折り返し 大宮通 東大寺前へ
〜 15km 1:06:12 0:21:37 天理街道 南下
〜 20km 1:28:55 0:22:43 天理大学フランドの丘越え
〜 中間点 1:33:48 - 白川大橋 下り坂
〜 25km 1:51:38 0:22:43 天理教 敷地
〜 30km 2:14:54 0:23:16 天理大学フランドの丘越え
〜 35km 2:36:23 0:21:29 坂下り 天理街道北上
〜 40km 2:58:47 0:22:24 東大寺前
〜 ゴール 3:08:24 0:09:37 鴻ノ池陸上競技場