2011.07.22 富士登山競走 敗戦記
昨年に続いての富士登山競走。インターネット申込開始から1分以内という厳しい競争に勝ち抜いた時点では、これで、完走への最大関門をクリアしたと思っていた。 ところが、今年は、なかなか走力があがらない。7月3日の青森ハーフで、スタート時の気温18度と涼しかったにもかかわらず、1時間33分02秒。 富士登山競走はどの位の走力があれば完走できますか?と聞かれると、私は必ず、「ハーフで1時間30分以内」と答えるとことにしていたから、今回の完走ならずという結果は、自ら、この言葉の正しさを実証したことになる。 しかし、心の底では、過去2回の完走経験から、何とかなるのではないか、と思っていたりした。4日前の早朝には3時30分に起きて、女子サッカーワールオカップの日本対アメリカの決勝戦をテレビ観戦した。結果、日本の勝利で大きな感動を得たが、本来、もっとも休養を重視すべき、レース前の週末の行動としては、よろしくなかったといえる。 今回は、富士急トラベルのツアーで参加したのだが、まずこれがマイナス要因。宿から会場(富士吉田市役所)までの送りの無料バスで行って、荷物を預けてトイレに並んで、と全く無駄な動きがなかったのに、スタート列の並んだ時はかなり後方、スタートラインまで40秒もかかった。当初の計画では、ここは20秒でクリアしたかった。 そこで、歩道を走って挽回しようとしたが、このスピードむらで、かなり疲れた。それでも、中の茶屋のチェックで、昨年より10秒速い39分50秒を見て、完走はいける!と誤解してしまった。昨年は朝から額から汗が落ちる暑さだったのに比べ、今年はひんやり、ずっとコンデションがよかったのだ。走りながら、周りのゼッケン番号に3ケタのランナーが少ないなあ、というのが少し気になったが、タイムがよかったので危機感がなかった。(ゼッケン番号で、その人の実績がわかる) 今年は昨年より走力が落ちているのが確実なのに、タイムがよかったことに安心して、中の茶屋から馬返しまで、「いいぞ、このまま、ペースキープ!」と思って、楽をしてしまった。馬返しを、昨年より12秒速い、1時間05分19秒で通過した時は、よしよし、にやにやとなっていたのだが・・・ 実は、この時点で、完走困難、という状態だったのだ。三合目までの道、中央の雨水だめのくぼみは昨日までの悪天候で、ぬかるみが多く、ここを中央突破ができなかったこともマイナス要因。しかし、うまくいっているという誤解から、無理をせず、流れに乗った。道が狭くなるところでは、渋滞が発生し始めたが、そのまま流れに乗れば大丈夫、という思いがあった。ところがである。三合目のタイムチェックで、楽観モードが一気に吹き飛んだ。三合目通過、1時間31分56秒は、昨年より、2分56秒も遅れていたのだ。 ここからは、急がなくては、と思ったが、道が狭く、抜くのにロスがある。途中の舗装道路の200m位で、思ったほど走れず、かなり身体は限界に来ているな、と思った。それでも、五合目まで、昨年比5分オーバー以内なら勝負になると思っていたのだが、五合目関門前の渋滞で完全ストップの状態に!1秒1秒とむなしく過ぎていく中、やる気がどんどん抜けて行くのを感じた。ああ、これが富士登山競走なんだ。過去の完走できなかったランナーから聞いた渋滞の話、今年は、まさに自分がその中に立っていた。 渋滞で停止中、隣の人が「馬返しまでのタイムではなくて順位が問題。1000位以内でなと」と話してくれた。まさにその通り! 今回の失敗は、参加者のレベルの読み間違えたことだ。五合目完走を参加資格とする新制度2年目で、どっと完走ライン付近のランナーが増加したことが、この渋滞の最大原因だと思う。それに加えて、涼しいコンディションで、みんなロードのタイムがよかった。昨年までなら、馬返し1時間5分通過すれば、そのまま流れに乗って完走、1時間7分なら危ない、だったが、今年は、そのラインが2〜3分ほど前になっていたのだ! ところが私は、おろかにも、その点の考慮が全く抜け落ちていて、昨年の各地点の自己タイムをすべて暗記し、そのタイムとの比較でペースを作ろうとしたのだ。 結果的にいえば、馬返しまでは、そこがゴールのつもりで、力を出し切り、ふらふらになるまあで飛ばすべきだった。そうしても大丈夫なのが富士登山競走。トレイルに入れば歩くことになるし、別の筋肉を使うから大丈夫なのだ。 でも、もう、後の祭り。この時点で後悔しても、取り戻せない。 五合目関門、2時間09分22秒 昨年より6分02秒遅れ。この先も渋滞があることを考えると、時間内完走は厳しい、と断ぜざるを得なかった。 それでも、最後の悪あがき、五合目から六合目までは、追い抜きモードで頑張ってみたが、六合目手前で、また、渋滞で停止。どっと力が抜けた。 六合目、2時間23分22秒。 昨年より6分09秒遅れ。 本来、七合目までは、追い越すことも可能だが、身体的にも、心理的にも、もう終わっていた。 七合目花小屋、2時間48分13秒 昨年より8分13秒遅れ。 八合目太子館、3時間24分20秒、年前比13分26秒遅れ。 もう遅れる一方。いっそ、八合目関門で終わったほうが疲れなくていいかな、と思ったりしたが、実際、「八合目関門まで、あと3分です。」「あと2分です。」「最後の力を振り絞って頑張ってくださーい」というメガフォンからの声を聞くと、ランナーの本能、関門前は、頑張った。 本八合目、富士山ホテル3時間59分37秒 昨年より17分32秒遅れ。 そこから山頂のゴールまで、たとえ元気であったとしても、30分でクリアできるはずもなく、レース展開を反省いながら、よっくり登った。 ゴールには、時計が動いていて、ゴールタイム4時間49分47秒が、ネット上で速報されていたが、数日後には、しっかり削除されていた。「八合目 3時間59分37秒」というのが、今年の私の正式記録である。 今年の悔しさを胸に、来年は、完走者の地位を再び!という新たな目標ができた。 |
距離 | 通過タイム | ラップ | コース |
〜 スタートライン | 0:00:40 | - | 富士吉田市役所 |
〜 中の茶屋(給水所) | 0:39:50 | 0:39:10 | 舗装道路 |
〜 馬返し(給水所・関門) | 1:05:19 | 0:25:29 | コンクリ道 |
〜 3合目(給水所) | 1:31:56 | 0:26:37 | 森林の中の山道 |
〜 5合目(給水所・関門) | 2:09:22 | 0:37:26 | 森林の中の山道 |
〜 6合目(給水所) | 2:23:22 | 0:14:00 | 低木の中の山道 |
〜 7合目(花屋) | 2:48:38 | 0:25:16 | つづら折の砂道 |
〜 8合目(太子館) | 3:24:20 | 0:35:42 | 岩場 |
〜 本8合目(富士山ホテル・関門) | 3:59:37 | 0:35:17 | つづら折の砂道 |
〜 8合5尺(御来光館) | 4:11:59 | 0:12:22 | つづら折の砂道 |
〜 9合目(鳥居) | 4:28:43 | 0:16:44 | つづら折の砂道 |
〜 ゴール(山頂) | 4:49:47 (未公認) |
0:21:04 | つづら折の砂道 |