2004.02.11 勝田全国マラソン 完走記

この大会に向けての日記は、こちらへ

 この大会のいいところは、スタートがよくある10時ではなく、11時であること。このため、上野発8時00分の特急で間に合いますので、さほど早起きの必要がありません。 1ケ月前に指定席を購入して、ゆっくり座っていきました。 車内では、ポカリスエットをちびちび飲みながら、チョコを口にしたりして、去年11月の東京女子記念マラソンのようなエネルギー切れの失敗をしないようにしました。

 去年に引き続き2回目で、また、今年は天気もよかったので、会場では、落ち着いて準備ができました。まず、受付後、体育館に行って、体を温める、チップとゼッケンをつけて、トイレを済ませてから、早めに荷物の袋をもらう(1つ100円)、そうしてから、隣の芝生でストレッチと、靴紐をチェックするだけのジョグ、最後に服を脱いで荷物を預けてスタートラインに110分前に着く、という流れでうまくいきました。

 登録の部は前方スタートですが、時間ぎりぎりに行くと前に入れませんので注意が必要です。10分前は、ぎりぎりセーフの線でした。

 例によって、スタート後のペースがどの位なのかつかむのが苦手です。距離表示ガ5キロごとで不安になりますが、今日はとにかく楽に入って、結果22分台なら、そのまま押していく、もし23〜24分台なら、無理して上げずに後半勝負を決め込む、ということにしました。1キロ過ぎあたりで、たけははさんに抜かれました。きいたらサブスリーペースでいくということだったのですが、さほどむちゃくちゃ速いという感じがしませんでしたので、相対的に自分もまずまず走れているかな、と思いました。

 やはり、その予想通り、5キロ通過は、ネットで22分06秒。飛ばしている実感がないのに走れている、いい感じと思う一方、いくらなんでも速すぎるんじゃないのと思いました。そこで、全体の流れからやや遅れぎみだけど、しっかり走れているランナーを見つけ、密かにペースメーカーをしてもらうことにしました。ゼッケン○○さん、ありがとう!

 とにかく何があっても、ハーフまでは、この○○さんよりは前に出ないぞ、と決め込みました。周りの速い人につられないぞ。

 それでも、ラップは、22分00秒、21秒、30秒 という具合で、快調です。20キロまで、この○○さんのおかげてうまく走れました。 ところが、この○○さん、20キロ過ぎにトイレに行っちゃった、がっかり。

 ハーフを過ぎると、自分のペースは変わらないのに、周りが遅くなるので、追い越しモードになってきました。何人抜けるか、1人、2人と数え始めました。

 衝撃的なことが起きたのは、25キロ過ぎの交差点です。係りの人が、「ランナーを通りますので、車は止まってくださーい」と言っている、と初めは聞き違えました。でも、よく聞くと、「車が通りますので、ランナーは止まってくださーい」と言っています。えっ、うっそー、勝田でこんなことがあっていいの? すぐ前のランナーが、「こんなのない」みたいなことを言っています。さあ、どうする?

 考えている暇はありませんでした。全力ダッシュ! 赤い旗はもう降ろされていたかもしれません。でも、車は、まだ、止まっている。行けー。

 ああ、助かった!、と思った瞬間、いきなりダッシュした身体と、冷や汗をかいた心が動揺して、落ち着かせるのに、時間がかかりました。こんな怖い思いするなら、勝田は二度と出ないぞ、と思いました。

 生活者の立場まらすると、趣味で走る人のために道を止めて迷惑、ランナーも、その位、協力して当然、と思うかもしれません。でも、みんな、日々の練習を積み重ねて、ここぞと力を出し切ろうとしている大会。マラソンのよいところは、速くても遅くても、すべて自分の出した結果であり、運や偶然に左右されないことです。たまたま運悪く信号で止められて、自己記録が出なかったというのは、やりきれません。女子の中には、国際資格がかかっていた人もいたでしょう。

 今日が勝田のラストランになるな、それなら、有終の美、しっかり走ろうと思い、気を取り直しました。

 30キロ手前では、昨年同様、子供たちが、チョコ(だと思います)を差し出して、「がんばってくださーい」と声をかけています。去年は喜んでもらったのですが、今年は、ここまで快調に走れていたので、胃腸に自信にない私は、わざと道の中央寄りによって、避けてしまいました。ごめんなさい。

 いよいよ、最大の難所、ゴルフクラブ横の3段坂にさしかかります。ここで、サブスリー目前ランナーの、いっちゃんに追いつきました。 レース前にきいたとおり、調子が今ひとつのようでした。「だめだー」と珍しく弱気になっていらして、マラソンには調子の波があるんだな、と思いました。

 3段坂のある30〜35キロ区間を、何とか22分台ぎりぎりで乗り切り、いよいよ35キロ到達です。ほんとに勝田のコースは厳しいです。 3段坂を越えた後には、もう前のように走れない脚になっています。それでも、この時点のタイムを見て、初めて、自己ベストが狙えるかもしれない、と計算をし始めました。

 残り5キロからは、昭和通りの一直線の道。 レース前に、自分のビクトリーロードとイメージしてきた道です。もちろん、自分自身に対する勝利を目指して。 レース前に決めた勝敗ラインは、去年のタイム=3時間17分42秒でした。 ところが、今、自己ベスト=3時間13分34秒と闘えている! 勝負できいる自分に感動して涙が出そうになりました。 が、次の瞬間、苦しさが襲ってくる。 実は、レース前に右足の親指側にできていたマメの再発防止でバンドエイドを貼っていたのですが、その箇所は大丈夫でも、今度は薬指側にマメができていました。もう1歩1歩、痛みがでる状態で、正直、もうマラソンは苦しいから嫌だな、とも思いました。でも、あと25分、がんばれなかったら、今までの35キロがかわいそうです。 

 40キロ通過が、2時間59分58秒。このタイムを見て、自己ベストを確信しました。ハーフから、ここまで、150人抜きでした。だだ、ここから先は数えるのも面倒に感じ、止めてしまいました。

 ひょっとして、3時間10分が切れるかも、ということで、ペースアップを試みました。しかし、足裏に痛みが走り、転びそうな感覚がして、それはかないませんでした。最後、もうちょっと、ゴール地点の地理に確信があったら、10分切りはできたかもしれませんが、最後まで、残りの距離がわからず、満足なスパートはかけられませんでした。ようやく石川運動広場に戻って、ゴールゲート目指して速度を上げても、時遅し。3時間10分に04秒のオーバーとなりました。

 ただ、ネットでは、3時間09分51秒です。 私がこのタイムを取ったから言うわけではありませんが、マラソンも、かけっこだから、一番初めにゴールテープを切った人が勝ちで、グロスタイムで争われるのは当然としても、順位の表彰が関係ない多くのランナーにとっては、もっとネットタイム重視が広がったらいいなと思います。そうしたら、スタートも、あんなに押し合いのような感じになりませんよね。でも理想論かな。やっぱり私もグロスを気にしてしまいます。
 

<追記>
 上で、勝田は二度と走らないと書きましたが、あれほど、多くの市民、ボランティアに支えられた大会は、すばらしいと思います。ここ一番、サブスリー狙い! などは危険ですが、そうでない場合なら、また走りたいな、と思ってきました。
 信号待ちも、転んだり、靴紐が解けたりするアクシデントと思えば、受け入れられるのかもしれません。ただ、歩かない、止まらないを、モットーとする私にとって、やっぱり、とにかく、42.195キロを、何にも邪魔されずに走れる、といことが、大会選びの最優先かなと思います。 (そういう意味で、5月の東京シティーロード10キロは、今年はパスしようかと思っています。)
 マメに関しては、バンドエイドでの対応は、不十分でした。やっぱり、なーやんさんから教えてもらった、マメ防止用テープを研究する必要がありますね。


 何はともあれ、1年3ケ月ぶりの、マラソン自己ベスト更新、おおいに余韻に浸って楽しみたいと思います。

距離 通過タイム ラップ コース
〜 スタートライン 0:00:13
〜 5km 0:22:18 0:22:05
〜 10km 0:44:18 0:22:00
〜 15km 1:06:39 0:22:21 きつい坂1つ
〜 20km 1:29:09 0:22:30
〜 中間点 1:34:09
〜 25km 1:51:36 0:22:27
〜 30km 2:14:05 0:22:29
〜 35km 2:37:03 0:22:58 3段坂あり
〜 40km 2:59:58 0:22:55
〜 ゴール 3:10:04 0:10:06